技能実習の雇用契約書及び雇用条件書(1-14)、1枚で契約と条件

技能実習の雇用契約書及び雇用条件書(1-14)、1枚で契約と条件

技能実習の雇用契約書及び雇用条件書(参考様式第1-14号)は、契約書と条件書が1つになった様式です。特定技能では契約書(第1-5号)と条件書(第1-6号)に分かれていますが、技能実習は1枚の流れで書きます。

この記事は、技能実習生の労働条件を書類にする担当者に向けたものです。技能実習の書類の書き方シリーズの8回目です。

雇用契約書及び雇用条件書(1-14)の10の項目

1 雇用契約:効力が生じる条件

冒頭の雇用契約の部分には、契約は技能実習生が在留資格「技能実習1号」の上陸許可を受け、入国後講習を終えたことを条件に、雇用条件書の始期が来たときに効力が生じる、と書かれています。入国日が予定と違えば契約期間も変わり、在留資格の審査結果を会社と本人で共有します。本人が在留資格を失ったときに契約は終わります。

契約書は2部作り、会社と本人が1部ずつ持ちます。会社は実習実施者名・代表者の役職と氏名を書いて押印し、本人が署名します。

Ⅰ〜Ⅲ:期間・場所・業務

Ⅰの契約の更新は、「更新する場合があり得る」を選んだ場合でも、技能実習計画を終えるまでは原則として更新する、と様式に書かれています。

Ⅱの就業の場所、Ⅲの業務(職種及び作業)は、雇い入れ直後と「変更の範囲」を書きます。実際に場所や業務を変えるときは、軽微変更届出書を出す必要がある、と様式に注記されています。

Ⅳ〜Ⅵ:時間・休日・休暇

1日の所定労働時間、休憩、1か月の所定労働時間数と年間総所定労働時間数、年間総所定労働日数(1年目・2年目・3年目)を書きます。1年単位の変形労働時間制なら、母国語を併記した年間カレンダーと、労働基準監督署に届け出た協定書の写しを付けます。

休暇の欄には、有給休暇などを一時帰国にあてる場合の旅費の支給の有無を書く欄もあります。

Ⅶ:賃金と手取り

基本賃金(月給・日給・時間給)と1時間当たり・1か月当たりの額、諸手当、1か月の支払概算額を書き、労使協定に基づいて控除する項目(税金、社会保険料・労働保険料、食費・居住費、その他)と手取り支給額まで示します。割増賃金率、締切日、支払日、支払方法(通貨払は支払った額を確かめられる方法による)も書きます。

Ⅷ〜Ⅹ:退職・宿泊施設・その他

宿泊施設の欄には、名称、形態(寮・賃貸住宅など)、所在地、面積・収容人員・1人当たり居室、技能実習生の負担額を書きます。その他の欄は、社会保険・労働保険の加入状況、健康診断の時期、相談窓口です。

様式の図解:どこに何を書くか

雇用契約書及び雇用条件書(1-14)の記載例に番号を付けた図

  1. 契約の当事者:実習実施者(甲)と技能実習生(乙)
  2. Ⅰ 雇用契約期間と入国予定日、更新の有無・更新上限
  3. Ⅱ 就業の場所と「変更の範囲」
  4. Ⅲ 職種・作業(例:そう菜製造業・そう菜加工作業)
  5. Ⅳ 始業・終業、休憩、所定労働時間(月・年)、所定労働日数、時間外労働の有無
  6. Ⅴ 休日(定例日・非定例日)

出典:外国人技能実習機構「参考様式第1-14号 雇用契約書及び雇用条件書」記載例📄 外国人技能実習機構の資料(PDF)を加工して作成

記入例:架空の会社の場合

欄 書く内容の例(架空) 確かめる元
Ⅰ 雇用契約期間 2027年3月1日〜2028年2月29日、入国予定日 2027年1月20日 技能実習計画の期間
Ⅱ 場所 本社工場(○○県○○市)/変更の範囲:変更の可能性なし 計画の事業所
Ⅲ 業務 そう菜製造業職種・そう菜加工作業 計画の職種・作業
Ⅳ 時間・日数 1日8時間、年間 1,960時間、年間 245日(1〜3年目) 年間カレンダー
Ⅶ 賃金 月給 ○○○,○○○円(1時間当たり ○,○○○円) 最低賃金・説明書(1-16)
Ⅶ 控除 税金・各種保険料・居住費(約○○,○○○円)/手取り 約○○○,○○○円 給与計算の試算
Ⅸ 宿泊施設 社員寮、面積 60㎡、収容 3人、1人当たり居室 6㎡ 見取り図

金額は、就業する県の最低賃金と、日本人が同じ仕事をする場合の報酬を確かめて決めます。

受け入れ企業がすること

労働条件を決め、契約を結ぶのは会社です。本人が理解できる母国語を併記し、内容を説明して署名をもらい、1部を渡します。場所や業務を実際に変えるときは軽微変更届出が必要です。会社の義務の全体は、技能実習で実習実施者がすることにまとめています。当組合(MOOZ)は監理団体として、計画や説明書(1-16)との数字の突き合わせと、本人への説明の準備をお手伝いします。

よくある間違い

  • 契約期間や入国予定日が、技能実習計画の期間と合っていない
  • 年間総所定労働日数を、1年目分しか書いていない
  • 控除と手取りの欄が空いている
  • 宿泊施設の1人当たり居室が、説明書(1-16)や見取り図と違う
  • 場所や業務を変えたのに、軽微変更届出を出していない

出す前のチェックリスト

  • □ 母国語を併記したか
  • □ 期間・場所・業務が技能実習計画と同じか
  • □ 年間の時間数・日数が年間カレンダーと合っているか
  • □ 控除と手取りまで書いたか
  • □ 会社の記名押印と本人の署名があるか

報酬・宿泊施設・徴収費用の説明書(1-16)は、次の回です。

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