技能実習を終えた回答者の48.5%は、帰国していませんでした

技能実習を終えた回答者の48.5%は、帰国していませんでした

実習を終えた人の半分近くは、日本に残っている

技能実習を終えた人は帰国する、という前提は実態と合わなくなっています。外国人技能実習機構(OTIT)の令和6年度の調査では、回答した2,782人のうち1,350人(48.5%)が「帰国していない」と答えました。

関係するのは、実習生が2年目・3年目に入っている会社です。同じ月に複数名を入れた工場や施設ほど、影響が大きくなります。

この調査の今年度分について、機構は2026年10月8日に協力依頼を出しました。この記事では、今年の調査で会社に関係することと、前回の結果から採用計画に使える数字を書きます。

出典:外国人技能実習機構「令和8年度 帰国後技能実習生フォローアップ調査へのご協力のお願い」
🔗 外国人技能実習機構のページ

この記事のポイント

今年の調査は、10月から11月に修了する実習生が対象

対象は、2026年10月1日から11月30日までに技能実習を修了する人です。国籍はベトナム、中国、インドネシア、フィリピン、タイ、カンボジアの6か国とされています。

帰国後技能実習生フォローアップ調査とは、実習を終えた人の就職状況や、日本で身につけた技能の使われ方を機構が毎年たずねる調査です。

流れは2段階です。まず監理団体と、企業単独型(監理団体を通さず自社で受け入れる形)の会社に事前調査が届きます。対象期間に修了する人数などを、オンラインで答えるものです。

そのあと本調査として、実習生本人にアンケートが送られます。回答はオンラインです。

回答の期限は、機構のお知らせのページでは確認できませんでした。届いた案内に書かれた日付が基準になります。

うちの会社には何か届くのか?

監理団体を通して受け入れている会社に、機構から直接の依頼が届く仕組みではありません。事前調査の宛先は、監理団体と企業単独型の会社です。

ただし、対象の国籍で10月・11月に修了する実習生がいる会社には、監理団体から連絡が入ることがあります。本人へアンケートの案内を渡す場面です。

ミャンマー国籍は、今年度の対象国籍に入っていません。当組合が受け入れを支援している実習生は、今回は調査の対象外です。

ですから、これから紹介する数字は当組合の実習生の数字ではありません。ベトナムなど5か国の人が答えた、全国の傾向です。

MOOZ事業協同組合

前回の結果では、帰国した人の27.9%も「特定技能で日本に戻る」

残る人は、帰国していない48.5%だけではありません。帰国した人の中にも、日本へ戻る予定の人がいます。

令和6年度の調査は、2024年9月から2025年1月に帰国した人、または在留資格を変更した人が対象でした。対象は12,012人、有効回答は2,782人、回答率は23.2%です。

帰国した人(1,339人)に今の状況をたずねた結果では、「特定技能で日本に戻る」が27.9%で最多でした。「技能実習3号で日本に戻る」が5.0%です。

母国で雇用されて働いている人、働くことが決まっている人、起業した人は、合わせて25.9%でした。

当組合で足し合わせると、帰国していない人と日本に戻る予定の人で、回答者の6割強になります。

注意点が1つあります。回答率は23.2%です。日本に残っている人のほうがアンケートに答えやすい、という偏りはありえます。実習を終えた人全体の割合として読むことはできません。

それでも「3年で全員が帰る」とは言えない数字です。

出典:外国人技能実習機構 令和6年度「帰国後技能実習生フォローアップ調査」
🔗 外国人技能実習機構のページ

食品製造は32.4%、繊維・衣服は11.9%。職種で差が出ている

特定技能で日本に戻ると答えた人の割合は、実習の職種で大きく違います。

帰国した人のうち、食品製造は32.4%でした。建設は37.8%、機械・金属は25.2%です。繊維・衣服は11.9%にとどまりました。

食品工場では、3年を終えた人の多くが日本で働き続ける道を選んでいます。問題は、その人がどの会社で働くかです。

特定技能は、同じ分野の中であれば転職ができます。実習先に残るかどうかは、本人が決めます。

5名を育てて、5名とも他社へ移る。そういうことも制度の上では起こります。

5名が同じ時期に修了する工場は、1年前に聞く

MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、修了の1年前に、本人へこの先の希望を聞く面談をおすすめしています。残ってほしいと会社が伝えるのも、このときです。

9月の監査でうかがった兵庫県の食品工場(そう菜加工・女性5名)は、全員が2024年8月の入国でした。入国から3年たつ2027年の夏に、5名がほぼ同時に技能実習2号を終える計算です。

この5名は、日本語の力がN2からN4まで分かれていました。同じ時期に来ても、2年で差がつきます。

残ってほしい人が誰か、会社の中で話が出るのもこの時期です。本人が何も聞かされないまま修了が近づくと、先に声をかけた他社へ気持ちが動きます。

1年前に聞く理由は、手続きの面にもあります。技能実習から特定技能への変更申請は、就労開始予定日の2か月以上前に出すよう、入管庁が呼びかけています。賃金などの条件を決め、書類をそろえる時間を足すと、半年前でも余裕はありません。

人数の多い工場では、もう1つ決めることがあります。全員が残る場合と、半分が帰る場合の両方で、次の受け入れ人数と寮の部屋数を見積もっておくことです。

なお、2027年4月に始まる予定の育成就労は、現時点の情報では、3年で特定技能1号の水準まで育てる制度として作られています。残って働き続ける人が出る前提は、これから強まります。

次に確かめるのは、実習生ごとの修了日

まず、実習生一人ずつの技能実習2号の修了日を一覧にしてください。その1年前の日付を横に書くと、面談の時期が決まります。

ご相談のときは、次の3つを伝えていただくと話が早く進みます。

  • 業種と、いま受け入れている人数
  • 入国した年月(同じ月に何名か)
  • 修了後に残ってほしい人数の見込み

特定技能へ移ったあとの支援は、グループ企業の株式会社NADy(登録支援機関)が担当します。技能実習の間から続けて相談できます。

三重県・東海地方で、修了後の進め方を決めかねている会社は、MOOZ事業協同組合へご連絡ください。
MOOZ公式サイト

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