技能実習で実習実施者がすること、受け入れ前から修了まで

技能実習で実習実施者がすること、受け入れ前から修了まで

技能実習生を受け入れる会社(実習実施者)には、受け入れ前から修了まで、自分でしなければならないことがあります。監理団体が計画作成の指導や監査をしますが、技能実習を行わせる責任は会社にあります。

この記事は、団体監理型で技能実習生を受け入れる会社の担当者に向けて、それを時系列で1本にまとめたものです。根拠は技能実習制度運用要領(令和8年4月、出入国在留管理庁・厚生労働省)です。技能実習の書類の書き方シリーズで、最初に読んでほしい回です。

技能実習で実習実施者がすること

なお、技能実習の1号の計画の認定申請は、2027年2月までに行うよう外国人技能実習機構が案内しています(2026年10月時点)。2027年4月1日からは育成就労制度が始まります。

受け入れ前:3人の担当者を選ぶ

実習実施者は、技能実習を行わせる体制として、次の3つの役を選びます。

  • 技能実習責任者:会社か、その常勤の役員・職員で、指導員や生活指導員を監督できる立場の人。過去3年以内に技能実習責任者講習を修了していること。経験の少ない新人は選べません
  • 技能実習指導員:技能実習を行わせる事業所に所属し、技能実習生に修得させる技能について5年以上の経験がある人
  • 生活指導員:技能実習を行わせる事業所に所属する人。生活上の注意の指導だけでなく、生活の状況をつかみ、相談に乗って問題を防ぎます

技能実習責任者は、3年ごとに養成講習を受け直します。指導員と生活指導員の講習は義務ではありませんが、受講が望ましく、優良な実習実施者の要件の1つにもなっています。

計画の認定申請:時期を逃さない

技能実習計画は、監理団体の指導を受けて会社が作り、外国人技能実習機構の地方事務所・支所の認定課に認定を申請します。1号は開始予定日の6か月前から申請でき、原則4か月前までに申請します。2号・3号は、技能検定などの合否が分かってから、原則3か月前までです。

報酬は、日本人が同じ仕事をする場合と同等以上にします。宿泊施設を用意し、技能実習生が定期に負担する費用(食費・居住費など)は実費に見合う額にします。

実習を始めたら:届出と雇用の手続

計画の認定を受けて初めて技能実習を始めたときは、遅滞なく実習実施者届出書(省令様式第7号)を出します。2回目からは要りません。雇用保険などの手続とあわせて、外国人雇用状況届出も行います。

ふだん:帳簿書類と、監理団体の監査

実習実施者は、次のような帳簿書類を作り、事業所に備えて置きます。保管期間は、もとになる技能実習が終わった日から1年間です。

  • 技能実習生の管理簿(名簿、履歴書、雇用契約書、賃金台帳など)
  • 認定計画の履行状況に係る管理簿(参考様式第4-1号)
  • 技能実習日誌(参考様式第4-2号):従事させた業務と指導の内容を、実習実施予定表の項目と対応させて記録

監理団体は、3か月に1回以上の監査と、第1号の期間中の1か月に1回以上の訪問指導を行います(技能実習制度運用要領)。会社は、帳簿書類を見せ、技能実習生や職員への聞き取りに協力します。

毎年:実施状況報告書

毎年4月1日〜5月31日に、前の技能実習事業年度(4月1日〜翌年3月31日)の実施状況報告書(省令様式第10号)を、管轄する機構の地方事務所・支所の認定課に出します。団体監理型では、監理団体の指導に基づいて作ります(施行規則第23条第2項)。その年度に技能実習生を受け入れていなければ不要です。

変わるとき・困ったとき

計画の内容を変えるときは、変更の大きさで手続が違います。重要な変更は変更認定の申請(省令様式第4号)、それ以外の変更は、事由が生じた日から1か月以内に軽微変更届出書(省令様式第3号)です。待遇を変えるときは、技能実習生に丁寧に説明し、母国語を併記した重要事項説明書を作り直して保管します。

会社の都合や技能実習生の病気・けがなどで技能実習を続けられなくなったときは、速やかに監理団体に通知します。監理団体が技能実習実施困難時届出書(省令様式第18号)を機構に出します。

様式の図解:どこに何を書くか

提出書類一覧・確認表のうち会社の書類の部分に番号を付けた図

  1. 列:番号・必要な書類・書式・技能実習の区分(1号・2号・3号)ごとの要否・留意事項
  2. 22 申請者が法人の場合:役員の住民票の写し(マイナンバーの記載がないもの)
  3. 23・24 申請者が個人事業主の場合:住民票の写し、直近2年度の納税申告書の写し
  4. 25〜27 技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員の履歴書並びに就任承諾書及び誓約書(1-5)
  5. 28 技能実習を行わせる理由書(1-22)

出典:出入国在留管理庁「技能実習制度運用要領 別紙②-1 提出書類一覧・確認表」📄 出入国在留管理庁の資料(PDF)を加工して作成

チェックリスト:実習実施者の1年

  • □ 技能実習責任者は3年以内に講習を修了している
  • □ 技能実習指導員・生活指導員が事業所にいる
  • □ 管理簿・技能実習日誌をつけ、実習終了から1年間保管している
  • □ 実施状況報告書を毎年5月31日までに出している
  • □ 変更があれば、1か月以内の軽微変更届出か変更認定申請をしている
  • □ 困ったことがあれば、すぐ監理団体に知らせている

当組合が手伝えること

当組合(MOOZ)は監理団体として、技能実習計画の作成の指導、入国後講習、監査と訪問指導、実施状況報告書の作成の指導、技能実習実施困難時届出などを行います。それでも、責任者などの選任、帳簿書類の作成と保管、労働条件を守ることは、実習実施者の義務です。

技能実習の書類は、シリーズで順に取り上げていきます。

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