支援計画書(1-17)前編、入国前後の4つの支援を書く
1号特定技能外国人支援計画書(入管庁の参考様式第1-17号)は、会社が本人にどんな支援を、誰が、いつ、どうやって行うかを約束する書類です。長い様式なので、前編と後編に分けて書きます。
前編は、Ⅰ〜Ⅲの欄と、入国の前後に行う4つの支援(Ⅳ欄の1〜4)です。この記事は、はじめて支援計画書を書く担当者に向けたものです。書類の書き方シリーズの9回目です。
記載例は3種類。自社の形に合うものを見る
入管庁の様式一覧🔗 出入国在留管理庁のページには、記載例が「全部委託」「自社支援」「複数人」の3種類あります。支援を登録支援機関に全部任せるのか、会社が自分で行うのかで、書く欄が変わるからです。

Ⅱ欄の「支援業務を行う体制の概要」は、会社が自分で支援する場合だけ書きます。Ⅲ欄の登録支援機関は、全部委託する場合だけ書きます。
支援対象者が複数いて支援の内容が同じなら、1人目の計画書に「ほか○名」と書き、署名日と署名欄のある名簿を付けて出せます。ただし、計画書は全員に渡す必要があります。
Ⅳ欄は、支援ごとに「実施予定・担当者・方法」を書く
Ⅳ欄の各支援には、実施予定(有・無と時期)、委託の有無、担当者の氏名と役職、実施方法の欄があります。
実施予定が「無」のときは、実施しない理由を括弧の中に書きます。登録支援機関は支援を再委託できないので、全部委託の場合、「委託の有無」はすべて「無」になる、と記載例に注記があります。
1 事前ガイダンスは、申請の前に行う
事前ガイダンスは、労働条件、日本でできる活動、入国の手続、保証金や違約金の禁止、外国の機関に払う費用、支援の費用を本人に負担させないこと、送迎、住居、相談先などを、本人が理解できる言語で伝える支援です。
記載例には、在留諸申請よりも前に実施するよう注記があります。方法は対面かテレビ電話などで、実施言語と、通訳を使う場合は通訳者の所属・氏名、合計の時間を書きます。実施したら、事前ガイダンスの確認書(参考様式第5-9号)を支援を行う事務所に備えて置きます。
2 送迎と、3 住居・生活に必要な契約
2は、入国時の空港での出迎えと、帰国時の保安検査場までの送迎です。すでに日本にいる人は、出迎えの欄を「無」にしてかまわない、と記載例にあります。車で送迎する場合、登録支援機関が道路運送法上の許可を持っていなければ、公共の交通機関を使うよう注記されています。
3は、住居の確保と、銀行口座・携帯電話・電気ガス水道などの契約の補助です。住居は、居室の広さ(1人あたり7.5㎡以上、または寝室が1人あたり4.5㎡以上)を選び、居住費を取るならその額と、実費に見合う額である理由を書きます。借上げの物件なら、家賃(管理費・共益費を含み、敷金・礼金などは含まない)を入居人数で割った額が目安です。
4 生活オリエンテーション
在留資格の変更許可や上陸許可のあと速やかに、日本での生活のルール、役所への届出、相談・苦情の連絡先、本人の言語で受診できる医療機関、防災・防犯、法律違反を知ったときの対応などを伝えます。終わったら、生活オリエンテーションの確認書(参考様式第5-8号)を備えて置きます。
様式の図解:どこに何を書くか

- 情報提供する内容a〜f:労働条件、活動の内容、入国の手続、保証金・違約金の禁止、外国の機関に払った費用、支援の費用を負担させないこと(様式に印字済み)
- 実施予定:内容ごとに有・無
- 支援担当者の氏名と役職。全部委託なら登録支援機関の担当者(記載例では委託の有無は全て「無」)
- 実施方法:対面・テレビ電話装置など。郵送やメールだけは認められない
- 記載例の注記:事前ガイダンスの確認書(5-9)を、支援を行う事務所に備えて置く
- 実施言語:本人が十分に理解できる言語。通訳を使うなら所属と氏名
- 実施予定時間:記載例では合計5時間(運用要領別冊では3時間程度が目安)
出典:出入国在留管理庁「参考様式第1-17号 1号特定技能外国人支援計画書」記載例(全部委託)📄 出入国在留管理庁の資料(PDF)を加工して作成
記入例:全部委託の場合
架空の例です。会社名・本人名は入管庁の記載例と同じ架空の名前です。
| 欄 | 書く内容の例(架空) | 確かめること |
|---|---|---|
| Ⅰ 支援対象者 | KOU OTUHEI(ほか1名) | 複数なら名簿を付け、全員に渡す |
| Ⅱ 所属機関 | 株式会社 入管・住所。体制の欄は空欄 | 全部委託なら体制は書かない |
| Ⅲ 登録支援機関 | 登録番号・事務所・支援責任者・支援担当者の数 | 登録簿の情報と同じか |
| Ⅳ1 事前ガイダンス | 有(2026年11月1日)・テレビ電話・本人の言語・合計5時間 | 申請日より前か |
| Ⅳ2 送迎 | 出迎え 有(入国予定日)/帰国時 有(契約終了後) | 公共交通機関か、許可のある車か |
| Ⅳ3 住居 | 借上物件・同居3人・居住費 月18,000円(家賃54,000円÷3人) | 雇用条件書の別紙の控除と同じ額か |
| Ⅳ3 生活の契約 | 銀行口座・携帯電話・ライフライン:有(入国後) | ― |
| Ⅳ4 生活オリエンテーション | 有(許可後速やかに)・合計8時間 | 確認書5-8を備えて置く |
受け入れ企業がすること
支援の義務は、全部委託しても会社にあります。計画を本人の言語で作って渡し、支援の費用を本人に負担させません。当組合(MOOZ)とグループの登録支援機関 株式会社NADyは、必要書類のご案内と記入内容の確認をお手伝いします。
受け入れ前から終わるときまでの会社の義務は、特定技能で受け入れ企業がすることにまとめています。
MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、Ⅳ3の居住費と雇用条件書の別紙の居住費を、同じ計算メモから写すことをおすすめしています。2つの書類で額が違うと、どちらが正しいかを説明しなければならなくなるからです。
よくある間違い
- 全部委託なのに、Ⅱ欄の体制や「委託の有無:有」を書いている
- 事前ガイダンスの実施日が、申請日より後になっている
- 実施予定が「無」なのに、理由を書いていない
- 居住費の額が、雇用条件書の別紙と違う
- 本人の言語の翻訳を渡していない、または本人の署名がない
出す前のチェックリスト
- □ 自社の形(全部委託/自社支援)に合う記載例を見たか
- □ 事前ガイダンスは申請の前に行ったか
- □ 住居の広さと居住費の説明を書いたか
- □ 「無」の欄に理由を書いたか
- □ 本人の言語の翻訳を渡し、説明して署名をもらったか
後編(Ⅳ欄5〜9とⅤ欄)は、次の回です。
支援を自社で行うか委託するかで迷ったら、当組合にご相談ください。受け入れたい人数、社内で支援を担当できる人がいるか、寮の有無が分かれば、必要書類のご案内から始められます。