実施状況報告書(様式第10号)、毎年5月31日までに実習実施者が出す
技能実習生を受け入れている会社(実習実施者)は、毎年4月1日〜5月31日に、前の技能実習事業年度(4月1日〜翌年3月31日)の実施状況報告書(省令様式第10号)を、管轄する外国人技能実習機構の地方事務所・支所の認定課に出します(技能実習法第21条、施行規則第23条)。
団体監理型では、監理団体の指導に基づいて作ります。この記事は、実施状況報告書を担当する人に向けたものです。技能実習の書類の書き方シリーズの16回目です。

いつの分を出すか
報告対象期間は、前の年の4月1日から3月31日までです。その期間に技能実習生を受け入れていなければ出す必要はありません。たとえば7月1日から翌年6月30日まで受け入れる場合は、7月1日〜翌年3月31日の分を翌年5月31日までに出し、翌年4月1日〜6月30日の分は、その次の年に出します(技能実習制度運用要領、令和8年4月)。
欄ごとの書き方
1・2欄は、報告対象期間と実習実施者の情報(届出受理番号、名称、住所、業種、最も多く受け入れている職種のコード番号と職種名)です。
3欄は、期間中に在籍した技能実習生の数を第1〜3号ごとに書きます(入国後講習中の人は除く)。4欄は、技能検定等の修了者・受検者・合格者の数です。
5欄の労働条件等は、区分ごとの平均です。実労働日数、所定内実労働時間数、超過実労働時間数、きまって支給する現金給与額(うち超過労働給与額・通勤手当・精皆勤手当・家族手当)、賞与など特別給与額、控除額(食費、居住費、税・社会保険料など)、昇給率を書きます。月の途中で技能実習を始めた・終えたため1か月分に満たない月の給与は除いて平均します。
昇給率は、第2号への移行時なら第1号開始時の「基本給」と第2号の基本給を比べます。基本給は、総支給額から時間外・深夜・休日手当などの超過労働給与額、通勤手当、精皆勤手当、家族手当などを除いた額です。
6欄は、技能実習の継続が困難になった人数と、そのうちの行方不明者の数と割合です。7欄は、ほかの実習先で継続が困難になった技能実習生を受け入れた人数と、実習先変更支援ポータルサイトへの登録の有無です。8欄は、日本語学習の支援、地域との交流、日本文化を学ぶ機会の取組の概要です。
行方不明者の割合が20%以上かつ3人以上の場合は、多発を防ぐための実効性のある対策をとっていることについて、理由書(様式自由)を出します。
様式の図解:どこに何を書くか

- 提出者(実習実施者)の名称
- 1 報告対象期間:4月1日から翌年3月31日まで
- 2 実習実施者:住所・氏名又は名称など
- 3 報告対象技能実習生数:期間中の在籍者(入国後講習中の者を除く)を第1号〜第3号の別に
- 4 技能検定等の受検状況:基礎級・3級・2級程度の受検者と合格者
- 5 労働条件等:手当などの平均額(次の頁に続く)
出典:外国人技能実習機構「別記様式第10号 実施状況報告書」記入例📄 外国人技能実習機構の資料(PDF)を加工して作成
記入例:5欄の一部(架空)
| 項目 | 第1号の平均(架空) | 第2号の平均(架空) |
|---|---|---|
| 実労働日数 | 20日/月 | 20日/月 |
| 所定内実労働時間数 | 160時間/月 | 160時間/月 |
| 超過実労働時間数 | 8時間/月 | 10時間/月 |
| きまって支給する現金給与額 | ○○○,○○○円/月 | ○○○,○○○円/月 |
| 控除額(居住費) | 18,000円/月 | 18,000円/月 |
| 昇給率(第2号移行時) | ― | ○.○% |
数字は架空の例です。金額は伏せています。
受け入れ企業がすること
実施状況報告書を出すのは会社(実習実施者)です。月ごとの労働日数・時間・給与・控除を給与の記録から集め、監理団体の指導を受けて作ります。会社の義務の全体は、技能実習で実習実施者がすることにまとめています。当組合(MOOZ)は監理団体として、報告書の作成を指導し、数字を確認します。
MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、給与の締めのたびに、区分ごとの日数・時間・支給額を1つの表に書き足していくことをおすすめしています。4月にまとめて1年分を拾い直すより、早く確実です。
よくある間違い
- 入国後講習中の人を、在籍者の数に入れている
- 月の途中で始めた月の給与も含めて平均している
- 昇給率を、手当を含めた総支給額で計算している
- 行方不明者が多いのに、理由書を付けていない
- 監理団体の指導証明の欄が空いている
出す前のチェックリスト
- □ 報告対象期間(前年4月1日〜当年3月31日)を書いたか
- □ 在籍者数から入国後講習中の人を除いたか
- □ 労働条件等を区分ごとに平均したか
- □ 昇給率を基本給で計算したか
- □ 5月31日までに認定課へ出すか
監理団体が出す事業報告書(様式第23号)は、シリーズ20回目にまとめています。
技能実習の毎年の報告で迷ったら、当組合にご相談ください。受け入れている人数と区分、給与の締め日が分かれば、数字の集め方からご案内できます。