特定技能雇用契約書(1-5)は1枚。中身は条件書に書く
特定技能の雇用契約書(入管庁の参考様式第1-5号)は、A4で1枚の短い書類です。給与や労働時間は書かず、「別添の雇用条件書に従って契約する」と書く作りになっています。
ですから、雇用契約書を書く前に、雇用条件書(参考様式第1-6号)を仕上げておく必要があります。
この記事は、はじめて特定技能の雇用契約書を用意する担当者に向けたものです。書類の書き方シリーズの4回目です。
契約書に書いてある5つの約束
様式の本文は短く、読めば5つの約束でできていることが分かります。

いちばん大事なのは2つ目です。雇用は、在留資格「特定技能1号」または「特定技能2号」の上陸許可や在留資格変更許可を受けた日から、1か月以内で会社と本人が合意した日に始めることになっています。
そのため、雇用条件書に書いた契約期間(始まりと終わり)は、実際に雇用を始める日に合わせて変わる、と契約書に書かれています。審査の結果を会社と本人で互いに知らせることも、契約書の約束の1つです。
契約は、更新しないまま期間が終わったとき、または本人が在留資格を失ったときに終わる、とも書かれています。
署名と言語は、雇用条件書と同じ扱い
提出書類一覧表(第1表、令和8年10月1日改定)では、雇用契約書の写しに本人の署名と、本人が十分に理解できる言語での記載が必要とされています。
様式の署名欄は、会社側が「特定技能所属機関名・代表者役職名・氏名・捺印」、本人側が「特定技能外国人の署名」です。本人の欄は印鑑ではなく署名です。
様式の「特定技能外国人」の欄には「候補者を含む」と書かれています。海外にいて、まだ在留資格を持っていない人とも、この様式で契約を結べます。
契約書と雇用条件書は2部ずつ作り、会社と本人が1部ずつ持ちます。申請に出すのは写しです。
様式の図解:どこに何を書くか

- 当事者:特定技能所属機関(甲)と特定技能外国人(乙)の名前
- 別添の雇用条件書(1-6)の内容に従って契約を結ぶ
- 雇用の開始:許可を受けた日から、甲乙で調整して決めた日
- 雇用契約期間は、実際に雇用を始める日に合わせて変わる
- 在留資格の審査結果を互いに共有する
- 期間満了や在留資格の喪失で契約が終わる
- 契約書と雇用条件書は2部作り、双方が持つ
- 締結日と、甲(会社名・代表者)と乙(本人)の署名
出典:出入国在留管理庁「参考様式第1-5号 特定技能雇用契約書」様式🔗 出入国在留管理庁のページをPDFにして加工して作成
記入例:架空の会社の場合
会社名と本人名は、入管庁の記載例と同じ架空の名前です。
| 欄 | 書く内容の例(架空) | 確かめること |
|---|---|---|
| 特定技能所属機関(甲) | 株式会社 入管 | 登記事項証明書と同じ表記 |
| 特定技能外国人(乙) | KOU OTUHEI | 在留カード(無ければ旅券)と同じつづり |
| 締結日 | 2026年11月10日 締結 | 雇用条件書の日付と食い違わない |
| 甲の署名欄 | 株式会社 入管 代表取締役 入管 太郎(押印) | 代表者の役職と氏名 |
| 乙の署名欄 | 本人の署名 | 本人が自分で書く |
MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、契約書・雇用条件書・別紙「賃金の支払」を1つにとじて、本人の言語の版と並べて説明することをおすすめしています。契約書だけ先に署名をもらうと、条件の説明が後回しになりやすいからです。
受け入れ企業がすること
代表者が記名押印し、本人の署名をもらい、1部を本人に渡すのは会社です。契約を変えた・終えたら14日以内に届け出ます。当組合(MOOZ)とグループの登録支援機関 株式会社NADyは、必要書類のご案内と記入内容の確認をお手伝いします。
受け入れ前から終わるときまでの会社の義務は、特定技能で受け入れ企業がすることにまとめています。
よくある間違い
- 契約書の本文に給与や時間を書き足し、雇用条件書の数字と食い違っている
- 雇用の開始日を、許可が出る前の日付で決めてしまっている
- 締結日が雇用条件書の日付より後、または前になっていて説明がつかない
- 本人の署名がない、または本人の言語の版を付けていない
- 古い様式を使い回している(様式は入管庁の「特定技能関係の申請・届出様式一覧」 🔗 出入国在留管理庁のページ から取り直す)
出す前のチェックリスト
- □ 雇用条件書(1-6)を先に仕上げ、契約書と1組にしたか
- □ 会社名・本人名の表記が、ほかの書類と同じか
- □ 締結日と、雇用条件書の日付が合っているか
- □ 本人の署名と、本人が理解できる言語での記載があるか
- □ 2部作り、1部を本人に渡したか
契約書と1組になる雇用条件書の書き方は、シリーズ2回目にまとめています。
次の回は、申請書(在留資格認定証明書交付申請書)の前半、本人について書く「申請人等作成用」です。
特定技能で人を雇う準備を始めたいときは、当組合にご相談ください。業種、雇いたい人数、本人が日本にいるか海外にいるかが分かれば、必要書類のご案内から始められます。特定技能の支援は、グループの登録支援機関 株式会社NADyが担当しています。