報酬に関する説明書1-4、比べる日本人がいないときは

報酬に関する説明書1-4、比べる日本人がいないときは

報酬に関する説明書(入管庁の参考様式第1-4号)は、特定技能外国人の報酬が日本人が同じ仕事をする場合と同等以上であることを、比べる相手を決めて説明する書類です。

書く欄は、比べる日本人社員がいるかどうかで決まります。いれば欄2、いなければ欄3です。

この記事は、雇用条件書を書き終えて、次に報酬の説明書に進む担当者に向けたものです。書類の書き方シリーズの3回目です。

なぜこの書類が要るのか

特定技能の基準に「外国人に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること」があるからです(特定技能基準省令第1条)。外国人であることを理由に報酬などで差をつけることも禁じられています。

運用要領(令和8年8月)は、同じくらいの技能の日本人がいれば、仕事の中身と責任の程度が同じであることを示したうえで、その人の報酬と比べるよう求めています。いなければ、賃金規程に照らして、または最も近い仕事の日本人と比べて説明します。

この書類は、同じ年度にすでに特定技能外国人を受け入れている会社や、一定の実績がある会社は省略できる場合があります(提出書類一覧表 第1表、令和8年10月1日改定)。省略できるかは一覧表で確かめてください。

どの欄を書くかは、この図で決まります

欄1(本人の報酬)は必ず書きます。そのあと、比べる日本人社員がいるかどうかで分かれます。

報酬に関する説明書は、どの欄を書くかで迷わない

欄3は、報酬が同じくらいの日本人社員がおらず、報酬が大きく違う日本人社員がいる場合に書く欄です。欄2を書いたときは、欄3は書きません。

欄2も欄3も書けないときは、任意の様式で、本人の報酬額を決めた方法や経緯を説明する文書を出すよう、様式の注意書きに書かれています。

1ページ目の欄ごとの書き方

公式の記載例に番号を付けました。記載例は、水産加工の会社で、経験4年の本人と経験4年の日本人社員を比べた例です。

報酬に関する説明書(1ページ目):ここに何を書くか

いちばん間違いが多いのは経験年数です。様式の注意書きでは、本人に従事させる業務に関する経験年数を書くことになっています。

運用要領は、技能実習2号を修了した人はおおむね3年、3号を修了した人はおおむね5年の経験者として扱う必要がある、としています。自社で技能実習生として受け入れていた人を特定技能で雇うなら、2号修了時の報酬を上回るのはもちろん、実際に3年程度の経験を積んだ日本人に払っている額とも比べて決めます。

報酬は、月給か時給のどちらかにそろえます。日給などは月給か時給に換算します。

通勤手当・扶養手当・住宅手当のように実費を補う性格のもの(課税対象となるものを除く)は、ここでいう報酬に含まれません。手当を足して同等以上に見せる書き方はできません。

記入例:架空の食品工場の場合

数字は、シリーズ2回目の雇用条件書の例と同じです。本人名は入管庁の記載例と同じ架空の名前です。

欄 書く内容の例(架空) 確かめること
1-① 氏名 KOU OTUHEI 在留カード(無ければ旅券)と同じ
1-② 役職・仕事・責任 惣菜製造ラインで盛付け・加熱・包装に従事する社員(役職なし)。ラインリーダーの指示の下で作業 雇用条件書の業務と同じ中身か
1-③ 年齢・性別・経験 26歳・女・経験3年(技能実習2号を修了、同じ作業) 実習修了者を0年にしない
1-④ 報酬 月給 220,000円 雇用条件書・申請書と同じ額
1-⑤ その他 皆勤手当 月5,000円 通勤手当などは報酬に含めない
2-① 比べる日本人 同じラインで盛付け・加熱・包装に従事する社員(役職なし) 仕事と責任が同じ人を選ぶ
2-② 年齢・性別・経験 27歳・男・経験3年 経験年数が近い人
2-③ 報酬 月給 215,000円 給与明細で確かめた額
2-④ 賃金規程 有。規程(等級表)に基づく額 月給215,000円 写しを付ける
2-⑤ 同等以上の理由 経験年数・担当工程・責任の程度が同じで、本人の月給は規程の額以上 経験・仕事・責任の3点をそろえる
2-⑥ その他 本人と同じく、欠勤なしの月は皆勤手当5,000円を支給 手当の扱いも同じか

最後に、作成日、会社名、作成責任者の役職と氏名を書きます。この月給は、申請書の所属機関等作成用にある「月額報酬」「同等の業務に従事する日本人の月額報酬」の欄にも同じ数字で書きます(入管庁の申請書記載例 📄 出入国在留管理庁の資料(PDF) )。

比べる相手は、給与明細で確かめてから書く

MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、比べる日本人社員を同じ工程で、経験年数がいちばん近い人から1人選び、その人の給与明細と賃金規程で額を確かめてから書くことをおすすめしています。覚えている額で書くと、規程の額と食い違うことがあるからです。

運用要領は、外国人と比べた結果、日本人社員に不当に安い賃金を払うことにならないようにも注意を促しています。比べる相手の報酬を下げて合わせるのは、この書類の目的と逆です。

同じ条件で複数の人を一度に申請するときは、氏名の欄を「別紙のとおり」とし、申請人の名簿(補助用紙)を付ける記載例もあります📄 出入国在留管理庁の資料(PDF)。

受け入れ企業がすること

比べる日本人社員を選び、給与明細と賃金規程で額を確かめて書くのは会社です。当組合(MOOZ)とグループの登録支援機関 株式会社NADyは、必要書類のご案内と記入内容の確認をお手伝いします。

受け入れ前から終わるときまでの会社の義務は、特定技能で受け入れ企業がすることにまとめています。

よくある間違い

  • 技能実習を修了した人の経験年数を「0年」や「来日後の年数」で書いている
  • 本人は月給、日本人は時給、と単位がそろっていない
  • 賃金規程があるのに「無」に丸をしている。または「有」なのに写しを付けていない
  • 雇用条件書や申請書の月給と、この書類の月給が違う
  • 作成日・作成責任者の欄が空いている

出す前のチェックリスト

  • □ 欄2と欄3のどちらを書くか、図のとおりに決めたか
  • □ 本人の経験年数は、技能実習の修了歴を踏まえているか
  • □ 報酬の単位(月給か時給)は、本人と日本人でそろっているか
  • □ 賃金規程の有無と、写しの添付が合っているか
  • □ 月給が、雇用条件書・申請書と同じ額か

雇用条件書の書き方と、書類全体の順番は、こちらにまとめています。

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自社に比べられる日本人社員がいない、賃金規程がない、といった場合の書き方で迷ったら、当組合にご相談ください。業種、本人の経験(技能実習の修了歴)、自社の賃金規程の有無が分かれば、必要書類のご案内からお手伝いできます。特定技能の支援は、グループの登録支援機関 株式会社NADyが担当しています。

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