溶接や縫製の工場が育成就労を使えるかは産業分類で決まる
製造業の工場は、作業より先に「産業分類」を見られます
溶接・自動車部品・電子部品・縫製の工場が育成就労を使えるかは、事業所の産業分類と、直近1年間の出荷額で決まります。根拠は、法務省・厚生労働省・経済産業省が2026年6月4日に公表した工業製品製造業分野の運用要領です。
関係するのは、2027年4月以降に製造ラインへ外国人材を入れたい工場です。いま技能実習生がいる工場にも、後半で書く年数の決まりが関わります。
育成就労とは、3年間働きながら特定技能1号の水準まで育てる新しい在留資格です。2027年4月1日に始まります。この記事は現時点の情報で、今後変わる可能性があります。
4か月前の要領を今日取り上げるのには理由があります。10月9日に飲食料品製造業と資源循環の要領が公表され、分野ごとの違いが比べられるようになったからです。
食品工場の惣菜製造では、食数と調理機械が審査基準に書かれました。製造業の入口はそれと違い、日本標準産業分類(国が定めた業種の分け方)です。

うちの工場は対象か。76項目の産業と、直近1年の出荷額で決まります
対象になるのは、告示が挙げる76項目の産業のどれかを行っている事業所です。告示とは、令和8年経済産業省告示第62号のことです。
当組合に相談の多い業種で見ると、次のものが入っています。
- 自動車・同附属品製造業(小分類311)
- 電子部品・デバイス・電子回路製造業(中分類28)、電気機械器具製造業(中分類29)
- 繊維工業(中分類11)
- 金属素形材製品製造業(小分類245)、鉄骨製造業(細分類2441)
- プラスチック製品製造業(中分類18)
業種名が合うだけでは足りません。運用要領は「行っている」の意味を、直近1年間にその産業で製造品出荷額等が発生していることと定めています。
製造品出荷額等には、加工賃収入も含まれます。他社の材料を預かって加工し、加工賃を受け取る工場も数えられるということです。
見られるのは会社全体ではありません。育成就労外国人が働く事業所ごとです。本社は対象でも、配属したい工場が別の業種という場合は確認が要ります。
食品工場と違い、協議会ではなく「登録法人」の会員になります
製造業では、分野別協議会に入る代わりに、登録法人の会員になります。時期は、育成就労計画の認定申請より前です。
登録法人とは、経済産業大臣の登録を受けた営利を目的としない法人です。正式には「育成就労外国人受入事業実施法人」といいます。製造業の業界団体が共同でつくり、受け入れ企業が守る行動規範を定めます。
認定申請では、会員であることが分かる書類を出します。運用要領が挙げているのは、登録法人のホームページに載った会員名簿を印刷したものです。自社の産業が対象かどうかも、登録法人が確認します。
登録法人の名称や住所は、経済産業省のホームページで公表されます。会費の額は運用要領に書かれていません。確認できていない数字なので、ここでは書きません。
雇用は直接雇用のみです。派遣の形では受け入れられません。
繊維工業の工場には、もう1段あります。協議会で決まった事項に沿った措置を取らないと、基準に適合しないとされています。印刷、ゴム製品、金属熱処理、こん包業なども同じ扱いです。措置の中身は運用要領には書かれていないため、経済産業省の案内を待つ部分です。

いま実習生がいる工場は、2年と3年の線に注意が要ります
技能実習を3年以上行っている人は、育成就労計画の認定を受けられません。2年以上行っている人は、対応する業務区分の育成就労にしか移れません。運用要領の第6に、対応表とあわせて書かれています。
対応は試験の種類で決まります。溶接技能評価試験(専門級)を目標にしてきた人は「機械金属加工」の区分で、目標は溶接育成就労評価試験(専門級)になります。
婦人子供服製造や座席シート縫製の人は「縫製」の区分です。電子機器組立ての人は「電気電子機器組立て」に対応します。
入る人の日本語にも条件があります。就労を始めるまでに、JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)のA1相当かJLPTのN5以上に合格するか、100時間以上の日本語講習を受けます。終了までの目標はA2.2相当以上です。
転籍を制限できる期間は、会社が1年か2年を選びます。2年を選んだ会社は、協議会が毎年公表する昇給率以上で、1年目から2年目にかけて所定内給与を上げます。
審査基準はまだ。年内に決められるのは3つです
どの作業が必須業務になるかは、まだ分かりません。6月4日公表の運用要領は、審査基準を「追って別紙としてお示しします」としています。入管庁の掲載ページを2026年10月10日に確認した範囲では、工業製品製造業の審査基準は載っていませんでした。
当組合にいま一番多い相談は、「技能実習で今入れるか、2027年4月の育成就労を待つか」です。製造業の工場には、審査基準が出るまで待てることと、待たずに決められることを分けてお話ししています。
MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、製造業の工場に、年内に次の3つを済ませることをおすすめしています。
- 配属したい事業所の産業分類を、4桁の番号まで確かめる
- その事業所の直近1年間の製造品出荷額・加工賃収入が分かる資料を用意する
- いまいる実習生の、実習開始からの年数と目標の試験を一覧にする
3つ目は、人数の多い工場ほど効きます。1年目と3年目の試験費用は、会社または監理支援機関が負担します。10名なら10人分です。誰を育成就労に移し、誰を特定技能に進めるかを、早めに分けておけます。
審査基準が出る前に「この作業なら大丈夫です」とお答えすることはしていません。分類と出荷額で対象外と分かる工場は、技能実習での受け入れを先に検討します。技能実習の新しい計画を出せる期限が近づいているためです。
最初に確かめるのは、事業所の産業分類の番号です
配属先の事業所が76項目のどれに当たるか。ここが決まらないと、登録法人の手続きにも進めません。
ご相談の際は、事業所ごとの製品と工程、受け入れたい人数と時期、いまいる実習生の人数と入国時期をお知らせください。産業分類の当てはめと必要書類のご案内から、手続きをサポートします。2名から受け入れられます。
MOOZ事業協同組合(三重県津市)
MOOZ公式サイト
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