これから入る実習生に技能実習3号はありません

これから入る実習生に技能実習3号はありません

2027年(令和9年)4月1日に技能実習3号へ移行できるのは、その時点で技能実習2号の活動を1年以上行っている人だけです。外国人技能実習機構(OTIT)が2026年1月16日に公表した内容で、逆算すると2号を始めた日が2026年4月1日まで、という線になります。この日はもう過ぎています。これから面接して入国する実習生は、1号1年+2号2年の合計3年で満了し、4年目・5年目はありません。

先週の監査で、同じ工場の中に線が引かれた

9月16日、兵庫県のそう菜製造の工場へ監査で伺いました。女性5名、全員2024年8月の入国です。日本語はN2からN4まで幅がありますが、それは今回の話とは別で、この5人は制度の上では全員同じ側にいます。2025年の夏に2号へ移っているので、2027年4月1日の時点で2号を1年半ほど行っていることになる。3号へ進む道は残ります。

問題は、同じ工場が来年あらためて2名、3名と採るときです。今から手続きを始めて入国が2027年になれば、施行日にはまだ1号。2号を1年どころか、始めてすらいません。同じ現場、同じ職種、同じ送り出し機関でも、3号があるグループと無いグループに分かれます。

OTITは技能実習計画の認定申請のリーフレットにも、「令和7年4月2日以降に新たに技能実習生として入国した方は、技能実習3号に移行できない可能性があります」と注意書きを入れています。2025年4月2日以降の入国、つまり1年半以上前からこの線は引かれていました。

この記事のポイント

施行日をまたぐ実習生は、どうなりますか?

3号の話とは別に、いま実習中の人がどうなるかを整理します。出入国在留管理庁のQ&Aでは、2027年4月1日に既に来日している技能実習生は、引き続き認定された技能実習計画に基づいて技能実習を続けられるとされています。施行日が来た瞬間に何かが打ち切られるわけではありません。

入国のほうにも経過措置があります。2027年3月31日までに技能実習計画の認定申請がなされ、施行日から3か月以内(2027年6月30日まで)に技能実習を開始する人については、施行後も技能実習生として入国できる扱いです。ただしこれは「入国できる」という話で、その人が3号へ進めるかどうかは冒頭の1年の線で決まります。両者は別の条件です。

なお3号は、もともと実習実施者と監理団体の双方が優良と認められていることや、一時帰国が前提になる資格です。今回の1年の線は、その上に乗る追加の条件だと考えてください。

自社の実習生が3号に行けるか、10分で分かります

見るのは在留カードではなく、技能実習計画の2号の開始日です。手元の認定通知書か計画書に、実習の開始年月日が入っています。

2026年4月1日までに2号が始まっていれば、3号へ進む可能性があります。それより後なら、現時点の情報では3号はありません。1名ずつ、2号の開始月と2号の満了予定月を書き出してください。表にするほどのことはなく、名簿の余白に2つ日付を足すだけで足ります。

この作業を先にやっておくと、次の判断が具体的になります。3号が無い人は、2号の満了月が「その人が日本を離れる月」になる。人数が多い工場ほど、この月が固まります。

MOOZ事業協同組合

4年目以降の受け皿は、いまのところ特定技能1号です

技能実習から育成就労への直接の移行は、原則として認められていません(入管庁Q&A)。過去に技能実習を行った期間は育成就労を行った期間とみなされるため、2年以上技能実習を行った人が、再来日して別分野の育成就労で働くことも基本的にできないとされています。

残る道は特定技能1号です。技能実習2号を良好に修了していて、従事しようとする業務と2号の職種・作業に関連性が認められる場合は、育成就労制度の運用開始後も当分の間、特定技能1号へ移行できると入管庁は示しています。食品製造、介護、宿泊といった分野で受け入れている工場・施設にとっては、ここが4年目以降の設計の中心になります。

MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、今から面接をお受けする案件は「技能実習は3年で一区切り、その先は特定技能1号」という前提で受け入れ計画を立てていただくようご案内しています。3号を当てにした5年計画は、もう立てられないからです。特定技能の支援は、グループ企業の株式会社NADy(登録支援機関)が担当します。

5名、10名とまとめて入れている会社ほど、山が集中します

2名の受け入れなら、満了が重なっても現場はなんとか回ります。同じ月に5名、10名が一斉に2号を終える工場は、話が変わります。

特定技能1号へ移るには、本人の意思確認、分野ごとの要件の確認、在留資格の変更手続きが必要です。これを5人分、同じ2か月の間にやることになる。寮の契約も、帰国する人と残る人で更新の判断が分かれます。シフトを組む側からすると、「誰が残るか」が決まっていない状態が数か月続くのがいちばん困ります。

私たちが案内しているのは、2号の満了月の1年前から動き出すことです。半年前だと、本人が迷っているうちに手続きの時間が無くなります。

何もしなかった場合に起きることは、はっきりしています。3年目の終わりに全員が帰国し、現場は採用前の人数に戻る。そこから新しく入れようとしても、そのときには育成就労制度に切り替わっていて、分野別の受入れ見込数の枠と、協議会への加入が前提になります。空いた穴をすぐ埋められる保証はありません。

今週できること

1つ目。受け入れ中の実習生について、2号の開始月と満了予定月を名簿に書き足す。2026年4月1日より後に2号が始まっている人には、印を付けてください。

2つ目。印の付いた人が何月に満了するかを数えて、同じ月に3名以上が重なっていないか見る。重なっていれば、そこが手当てすべき月です。

3つ目。自社の職種が特定技能のどの分野にあたるか、すでに確認済みかどうかを社内で確かめる。確認していなければ、そこが最初の宿題になります。

育成就労は2027年4月施行予定の新制度で、細かい部分は今後の政省令で変わりうるため、現時点の情報として受け取ってください。数字と日付はOTIT・入管庁・厚生労働省の公表資料に基づいています。

自社の名簿を見ながら「この人は3号に行けるのか」「この月の穴をどう埋めるか」を一緒に確認したい、という方は、MOOZ事業協同組合(三重県津市)までご連絡ください。三重県・愛知県・岐阜県を中心に、食品製造・介護・宿泊の現場を回っています。受け入れは2名から、ミャンマー人材の紹介から配属後の巡回まで担当します。必要書類のご案内もこちらで行います。

問い合わせ先:https://mooz-gr.jp

参考にした資料
- 育成就労制度の施行に伴い、令和9年4月以降、技能実習3号に移行できない場合があります(外国人技能実習機構、2026年1月16日)
- 育成就労制度Q&A(出入国在留管理庁)
- 育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置について(厚生労働省)