同じ月に来た技能実習生5人、2年で日本語に差がつく
同じ月に入国した技能実習生でも、2年たつと日本語の力はそろいません。一度に5名、10名と受け入れる工場では、入国前の成績を一人ずつ見て最初の配置を決め、3年後に特定技能へ進む時期も一人ずつ考えておく必要があります。
これは、食品・製造の工場、宿泊、介護で複数名をまとめて受け入れる会社に関わる話です。
2024年8月に入った5人は、2年で差がついていた
当組合が9月に監査に入った兵庫県の食品工場(そう菜加工・女性5名)では、5名全員が2024年8月の入国です。
同じ時期に来て、同じ工場で働き、同じ寮で暮らしています。それでも2年たつと、日本語の伸び方には差が出ていました。
受け入れの相談では「同じ時期に入れれば、同じように育つだろう」と考える方が多くいます。現場を見る限り、そうはなりません。

差は、入国する前から始まっている
ミャンマーの提携先の日本語学校では、教科書(『みんなの日本語 第二版』)の進み方を課ごとに一人ずつ記録しています。
同じ時期に入学した人でも、「会話は第1課まで、文法は第9課まで」という人がいます。会話と文法で進み方が違う人もいれば、全体に伸び悩む人もいます。
反対に、ほかの生徒が分からないところを教えられる人もいます。進度が早い人が、教室の中で役割を持っています。
学校からは月ごとの成績表が出ます。日本語の点数だけでなく、生活態度も評価されます。つまり、工場に配属される前の段階で、学習と生活の両方の記録が一人ずつ残っています。
5名以上をまとめて受け入れるとき、どこに差が出るか
まとめて受け入れる工場では、最初の数か月の作業指示を、日本語のよくできる1人を通して伝える形になりがちです。
それ自体は悪いことではありません。ただ、通訳役の1人に負担が集まると、ほかの人が日本語で聞き返す機会が減ります。2年後の差は、こうした配置からも広がります。
当組合が配置の相談でまず聞くのは、次の3つです。
- 作業の班を、何人ずつに分けるか
- 班ごとに、日本語で指示を受け取れる人がいるか
- 日本人の指導員が、誰に直接話しかけるか
成績表を見れば、班ごとに会話の得意な人と苦手な人を組み合わせることができます。1つの班に日本語の得意な人を集めないことが、最初の一手です。


日本語の差は、3年後の特定技能にどう関わる?
技能実習の場合、技能実習2号を良好に修了すれば、特定技能1号へ移るときの日本語の試験は免除されます。
これから始まる育成就労では扱いが変わります。厚生労働省の資料では、就労を始めるまでにA1相当(JFT-BasicのA1、日本語能力試験N5など)の試験合格かそれに相当する講習の受講、特定技能1号へ移るときにはA2相当(N4相当)の試験合格が示されています(厚生労働省の資料)。
育成就労は2027年4月施行予定の制度で、詳細は政省令で変わる可能性があります。ここに書いたのは現時点の情報です。最新の要件は出入国在留管理庁の公表をご確認ください。
育成就労で受け入れる会社にとって、5人の日本語の差は「誰が3年後に特定技能へ進めるか」の差につながる見込みです。全員に同じ時期に受験させるのではなく、一人ずつ受験の時期を決める前提で計画を立てておくと、試験の直前に慌てずに済みます。
MOOZでは、入国前の記録を配属後につないでいる
MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、ミャンマーの日本語学校と、実習生一人ひとりについて名前を挙げてやり取りしています。「記憶力は良いが、集団生活の経験が少ない」といった具体的な人物像を、配属前から共有しています。
配属後は、巡回で見た様子を日本語学校に返しています。学校では全教員でその内容を話し合い、授業の教え方に反映しています。日本での様子が、現地の教室に戻る往復です。
配属後に、送り出し機関の先生も入れてオンラインで面談することもあります。「日本に慣れた」と答える人がいる一方で、反応の薄い人もいます。こうした違いを、受け入れ企業にもお伝えしています。
なお、当組合で入国する女性の技能実習生は、多くがN3・N2を取得しています。それでも、入国後の伸び方はそろいません。だからこそまとめて受け入れる会社には、配属前に一人ずつの成績と所見を見て、最初の班を決めることをおすすめしています。
おわりに
次に確かめる1点は、今いる実習生、またはこれから受け入れる人の日本語の記録を、一人ずつ見たことがあるかです。見たことがなければ、受け入れ先の監理団体に入国前の成績表があるか尋ねるところから始められます。
ご相談のときは、業種、受け入れたい人数、受け入れたい時期、寮で何人まで暮らせるかを教えてください。こちらからは、技能実習と育成就労のどちらで入れるかの考え方と、入国までの日程の目安をお返しします。
入口は「30分無料オンライン相談」です。
MOOZ公式サイト
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