介護施設で5人増やすなら、技能実習か特定技能か
三重県で特別養護老人ホームを運営していて、来年度に介護職を5人ほど増やしたい。そういう施設長から相談を受けると、当組合ではまず「いつから人員に数えたいか」を伺います。
早く人員に数えたいなら、国内にいる人を雇える特定技能が向きます。同じ人に何年も施設で育ってほしいなら、技能実習が向きます。ただし技能実習を新しく始められるのは、2027年4月1日の育成就労の施行前までです(経過措置あり)。
いま当組合に一番多い相談も「技能実習で今入れるか、2027年4月の育成就労を待つか」です。介護の施設では、ここに特定技能が加わって、三つから選ぶことになります。
人数の上限は、どちらも「常勤の介護職員の数」まで
5人増やせるかどうかは、制度より先に事業所の常勤介護職員の人数で決まります。
特定技能1号では、事業所ごとに受け入れられる人数の上限があります。厚生労働省の資料では、上限は「日本人等の常勤の介護職員の総数」です。技能実習生と特定技能の外国人は、この総数に入りません。
ここでいう介護職員は、介護を主な仕事とする常勤の職員です。事務職員や看護師・准看護師は入りません。
技能実習にも、常勤の介護職員の数に応じた人数枠があります。技能実習生の総数は、常勤の介護職員の総数を超えられません。
つまり、常勤の介護職員が3人の小さな事業所では、どちらの制度でも5人は入れられません。逆に常勤の介護職員が20人を超える施設なら、人数の上限で困ることはほとんどありません。
もう一つ、技能実習は開設から3年以上たった事業所でないと受け入れられません。新しく建てた施設で人を増やすなら、選べるのは特定技能が先になります。

早く人員に数えたいなら、特定技能
特定技能の介護で働く人は、介護技能評価試験と介護日本語評価試験に加え、日本語能力試験N4などに合格しています。国内にいる人なら、海外から呼ぶより早く来てもらえます。
技能実習生が人員配置の基準に数えられる時期は、2024年度の介護報酬改定で見直されました。この点は別の記事「介護の実習生は、いつから夜勤に入り人員に数えられる?」で詳しく書いています。
特定技能で気にしておくことは、本人が転職できる点です。同じ介護の分野なら、別の施設へ移れます。給与や夜勤の回数が周りの施設と比べてどうかは、採用の前に一度見ておく必要があります。
特定技能では、生活の支援(住まいの確保、役所の手続きの同行、3か月に1回以上の面談など)も施設の義務です。支援を外に頼む場合は、登録支援機関に委託します。当組合のグループでは、株式会社NADyが登録支援機関として支援を担当しています。
同じ人に育ってほしいなら、技能実習
技能実習は、面接から入国まで時間がかかります。その代わり、実習の期間中は原則として施設を移りません。3年間、同じ人が施設の仕事を覚えていきます。
介護の技能実習には、日本語の要件があります。厚生労働省の資料では、1年目はN4、2年目はN3に合格していること(または同等以上)とされています。指導員のうち1人以上は介護福祉士などであることも求められます。
当組合で入国する女性の技能実習生は、多くがN3・N2を取得しています。2年目に求められるN3を、入国の時点で満たしている人もいます。
技能実習2号を良好に修了した人は、特定技能の介護へ移るときに、技能と日本語の試験が免除されます。3年間育った人に、そのまま特定技能で残ってもらう道があります。
なお、これから技能実習を始める人は3号に進めません。3年目を終えたら、特定技能に移るかどうかを本人と決めることになります。

訪問介護にも、どちらの制度でも入れる
2025年4月から、技能実習生と特定技能の外国人も、条件を満たせば訪問系のサービスで働けるようになりました。
条件は、原則として介護の事業所で1年以上の実務経験があることです。施設側は、訪問介護の基本の研修、サービス提供責任者などとの同行訪問、本人とのキャリアアップ計画の作成などを守ります。国際厚生事業団による巡回訪問もあります。
訪問介護の人手不足で外国人材を考えている事業所でも、最初の1年は施設の中で経験を積む形になります。
2027年4月からは、育成就労も選択肢に入る
技能実習のあとを継ぐ育成就労でも、介護は対象の分野です。
現時点の情報では、育成就労の介護でも、事業所の規模に応じた人数の上限があります。常勤10人以下の事業所は3人までとする案が出ています。詳細は政省令で変わりうるため、入管庁と厚生労働省の最新の情報をご確認ください。
育成就労では、一定の条件を満たせば本人の希望で施設を移れるようになります。「転籍しない」という技能実習の特徴は、2027年4月以降に始める人には当てはまりません。
うちはどう案内しているか
MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、介護で複数名を増やしたい施設に、次の順で決めていただくよう案内しています。
まず、常勤の介護職員の数から受け入れられる上限を確かめます。次に、2027年3月までに技能実習を始められる日程かを見ます。間に合うなら、日本語力の高い人を技能実習で迎え、3年後に特定技能へ移ってもらう形をおすすめしています。
間に合わない場合や、半年以内に人員に数えたい場合は、国内にいる人を特定技能で採用する形を先に考えます。両方を組み合わせて、すぐ必要な分を特定技能、育てたい分を技能実習・育成就労で、という施設もあります。
受け入れは2名からできます。最初に2名、翌年に3名と分けて入れれば、指導する職員の負担も分けられます。
次に確かめること
最初に確かめるのは、事業所ごとの常勤の介護職員の人数です。ここで上限が決まります。施設が複数ある法人は、事業所ごとに数えます。
相談のときは、施設の種類(特養・老健・グループホームなど)と、増やしたい人数、来てほしい時期を教えてください。こちらからは、どの制度が合うかと、面接から配属までの日程の目安、費用の内訳をお返しします。
30分無料オンライン相談は、こちらから申し込めます。
MOOZ公式サイト
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