特定技能の支援責任者に講習義務、自社支援の会社は何が変わる?
特定技能の外国人を雇っている会社には、「支援責任者」という役職があります。この支援責任者が、3年ごとに養成講習を修了しないといけなくなります。
入管庁は2026年9月14日、ホームページに「特定技能制度における養成講習について」を掲載しました。根拠は、2027年4月1日施行予定の入管法施行規則と、特定技能の支援計画の基準を定めた省令の改正です。ただし経過措置により、修了の義務は「当分の間」適用されません。いつ適用が始まるかは、入管庁が改めて知らせるとしています。
今日すぐに受講が必要になるわけではありません。それでも、特定技能の支援を自社でしている会社は、今のうちに誰を支援責任者にするかを決めておいたほうがよいというのが、私たちの考えです。
何が変わるのか
特定技能1号の外国人を受け入れる会社は、生活オリエンテーションや相談対応、定期面談といった支援を行います。自社で支援する場合、会社は常勤の役員か職員の中から、外国人が働く事業所ごとに1名以上の支援責任者を選びます。支援を登録支援機関に委託する場合は、委託先が支援を行う事業所ごとに1名以上の支援責任者を置きます。
これまで支援責任者になるのに講習は必要ありませんでした。改正後は、支援責任者に講習の修了が求められます。入管庁によると、講習の内容は「入管法や労働関係法令、特定技能制度等」です。さらに、直近の修了日から3年以内に受け直さなければなりません。
実際に支援を担当する「支援担当者」は、法令上の義務はありません。入管庁は「適正な支援の実施の観点から」修了を推奨しています。
技能実習を受け入れている会社の方は、「技能実習責任者の講習と同じようなものか」と思われるかもしれません。技能実習では、技能実習責任者に3年ごとの養成講習がすでに義務づけられています。特定技能も同じように、支援の責任者に講習を課す形になります。

いつから、何が決まっていないのか
決まっていることと、決まっていないことを分けておきます。
決まっていることは3つです。義務が入るのは2027年4月1日施行予定の改正であること。当面は経過措置で適用されないこと。講習は「法務大臣が適当と認めて告示した機関」が行うこと。
講習の実施機関はまだ決まっていません。入管庁は2026年12月7日から2027年1月8日まで、講習を行う機関を募集します。受講者の募集ではありません。実施機関が決まったら入管庁のホームページで公表されるので、受講の費用や日程、オンラインで受けられるかどうかも、そのあとに分かってきます。
経過措置がいつ終わるかも、まだ決まっていません。ここを「2027年4月から全員が受講しなければならない」と説明している情報を見かけますが、入管庁のページにそうは書かれていません。

影響が大きいのは、事業所の多い自社支援の会社
同じ特定技能の受け入れ企業でも、影響の大きさはかなり違います。
登録支援機関に支援を全部委託している会社は、自社の担当者が受講する必要はありません。義務がかかるのは委託先の支援責任者です。確認しておくのは、委託先が講習を修了した責任者を置けるかどうかぐらいです。
自社で支援している会社は、自社で受講者を用意することになります。支援責任者は事業所ごとに1名以上なので、たとえば食品工場を市内に2か所、隣の市に1か所持っている会社なら、少なくとも3名が講習を修了していないといけません。3年ごとの受け直しがあるので、支援責任者が異動や退職をすると、代わりの人にまた受講してもらう必要があります。
多人数を受け入れている工場や介護施設、宿泊施設ほど、支援を自社で抱えていることが多いと思います。支援責任者を「とりあえず総務の誰か」にしていた会社は、この機会に見直すことになります。
うちの相談で多い「2027年4月」の話とあわせて
2026年9月の今、当組合でいちばん多い相談は「技能実習で今入れるか、2027年4月の育成就労を待つか」です。
今回の改正は、育成就労制度が始まるのと同じ2027年4月1日の施行予定です。技能実習から特定技能への移行を考えている会社は、移行したあと、支援を誰がするかまで決めておくと、2027年以降の体制が組みやすくなります。技能実習の3年間は監理団体が監理をしますが、特定技能に移ったあとの支援は、受け入れ企業の役割になるからです(育成就労については、現時点の情報では詳細が政省令で変わる可能性があります)。
私たちは、特定技能の支援について、原則として登録支援機関への委託を検討するようご案内しています。自社支援ができる会社もありますが、事業所が多い会社や、外国人材の担当者が1人しかいない会社では、講習の受け直しや異動の際の引き継ぎまで含めると、負担が小さくないからです。当組合のグループ企業である株式会社NADy(登録支援機関)が、特定技能の支援を担当しています。
いま企業がやっておくこと
経過措置の終わる時期が決まっていないので、急いで受講先を探す必要はありません。今やっておくのは、次のような社内の整理です。
まず、特定技能の外国人が働いている事業所を数えて、それぞれの支援責任者が誰なのかを確認してください。支援計画の書類に記載した人と、実際に支援をしている人が違っていることもあります。
次に、その人に異動や退職の予定がないかを確認してください。3年ごとの受け直しがあるので、長く同じ事業所にいる人を選ぶほうが負担が少なくなります。
そのうえで、自社支援を続けるか、登録支援機関に委託するかを検討してください。判断の材料になる講習の費用や日程は、2027年1月の実施機関の募集締め切り以降に出てくる見込みです。
三重県・東海地方で、技能実習から特定技能への移行や、特定技能の支援体制を見直したい会社は、MOOZ事業協同組合にご相談ください。今の受け入れ人数、事業所の数、支援を自社でしているかどうかの3点が分かれば、委託した場合としなかった場合の違いを具体的にご説明できます。
MOOZ事業協同組合(三重県津市)
https://mooz-gr.jp