ミャンマー送出機関リスト公表、育成就労はまだ「暫定」
ミャンマーの名前が、ようやくリストに載りました。外国人技能実習機構(OTIT)が9月17日、育成就労制度の「外国政府認定送出機関一覧」にミャンマーの送出機関リストを掲載しています。同じ日にバングラデシュも出ました。
ただし表記は「認定」ではなく「暫定」です。2027年4月からミャンマー人材を育成就労で受け入れるつもりの会社にとっては、一歩進んだけれど確定ではない、という位置づけになります。この二文字の差が、採用計画の組み方を変えます。
「暫定」と「認定」で何が違うのか
OTITの説明では、二国間取決めを作成した後、送出国から正式に認定送出機関リストが提出された場合に「認定」と表記されます。それ以前の段階、つまり取決めを協議している最中に相手国から提出された名簿が「暫定」です。
育成就労は、原則として二国間取決め(協力覚書=MOC)を結んだ国からの受け入れになります。そして入管庁の「育成就労に関する二国間の協力覚書」のページに載っているのは、9月17日時点でウズベキスタン、スリランカ、タイ、ラオスの4か国です。ミャンマーはここにありません。
だから今回の公表は、「ミャンマーから育成就労で受け入れられるようになった」という発表ではありません。「その手前まで来た」という発表です。現時点の情報では、ミャンマーの取決めがいつ締結されるかは公表されていません。

掲載日を並べると、止まってはいない
4月7日のカンボジアから始まり、6月に東ティモール、7月にフィリピン・タジキスタン・パキスタン・ブータン、8月にベトナム・インドネシア・ウズベキスタンと続きました。9月に入ってからの半月では、2日にタイとラオス、7日にキルギス、15日にネパール、17日にスリランカ・バングラデシュ・ミャンマーです。合計16か国が並んでいます。
そして「認定」に変わった4か国は、いずれも8月18日以降です。暫定から認定への移行が、数週間から数か月の単位で起きうることは、この並びから読み取れます。ただし、それがミャンマーでいつになるかを当組合が予測して申し上げることはできません。取決めは国同士の交渉です。
いま一番多い相談と、うちの答え
「技能実習で今入れるか、2027年4月の育成就労を待つか」。この9月、当組合に来るご相談で一番多いのがこれです。今回の発表で、この問いはむしろ難しくなりました。ミャンマーの名前が出たことで「もう少しで待てば入れそうだ」と見える一方、取決めの時期は分からないままだからです。
うちはこう案内しています。人がすでに足りていないなら、待たない方をおすすめします。 待つという判断は、締結時期が読めないまま賭けることになるからです。逆に、いまの人員で来年度いっぱいは回る見通しがあるなら、育成就労で組み立て直す時間はあります。
なお、いま在籍している技能実習生が施行日で在留を切られるわけではありませんが、扱いの細部は現時点の情報では政省令や運用要領で固まりきっていない部分があります。個別の年次に関わる話なので、当組合では入管庁の最新情報を確認しながら、企業ごとに時期を当てはめてご案内しています。

リストに載っているかより、中身を見ています
暫定リストは、送出国から提出された名簿です。そこに機関名があることと、その機関が自社に合うかどうかは別の話になります。
当組合がミャンマーの提携先を見るときに確認しているのは、教育の具体です。教科書は『みんなの日本語 第二版』で、会話の映像教材を組み合わせる。単語集に付いている絵コンテを試験対策として必須にし、「絵を見て何の場面か判断する」練習を早い段階から入れる。月次で成績表が出て、そこには日本語力だけでなく生活態度も載る。進度は「会話は第1課まで、文法は第9課まで」という粒度で一人ずつ把握されている。日本側の巡回報告が現地の全教員に共有され、教員間で話し合って授業に反映される。
この往復があるかどうかが、配属後にそのまま出ます。兵庫県の食品工場(そう菜加工・女性5名)は全員2024年8月の入国ですが、日本語はN2からN4まで幅があります。同じ時期に同じ教室から来ても、2年で差がつきます。
技能実習には日本語の法令要件がありません。だからこそ、入国前の教育に何をしているかが送り出し機関と監理団体で差の出る部分になります。特定技能1号はN4またはJFT-Basicの合格が在留資格の要件なので、制度上かならず試験に受かった人ですが、技能実習にその線はありません。
5名、10名とまとめて入れる会社ほど、いま動く価値がある
一度に多人数を受け入れる工場・宿泊・介護の現場では、ここまでの話が金額に直結します。人数が増えるほど、日本語力のばらつきはシフトの組み方と教育コストに跳ね返るからです。同じ送出機関から同時期にまとめて送ってもらえるか、寮の場所と人数をいつまでに決めるか、複数名分の手続きを並行で進められるか。この三つは、取決めの締結を待っている間にも詰められます。
当組合の受け入れは2名からです。他の組合は5名からというところが多いようで、「本当に2名でいいのか」と驚かれることが少なくありません。小さく始めて翌年に増やす形も、最初からまとまった人数で入れる形も、どちらも組めます。
2027年4月を見て、今日決められること
育成就労計画の認定申請そのものは、2026年9月1日から施行日前の受付が始まっています。ミャンマーの取決めを待つ会社でも、自社の業種が育成就労の分野に入っているか、受け入れ人数の枠がどうなるか、寮をいつまでに確保するかは、今月中に洗い出せます。
費用については、「初期費用と月額監理費の内訳を実額で知りたい」というお声が最も多く、当組合では業種・人数・地域を伺ったうえで個別に金額をお出ししています。ウェブに載せた一般論ではなく、御社の条件での数字です。必要書類のご案内も、受け入れ時期を決める段階から並行して進めます。
三重県津市から、東海地方を中心に伺っています。「うちの業種は対象か」「2名からで本当に回るのか」「技能実習で先に入れた場合、2027年4月以降どうなるのか」——この三つのどれかに答えが出ていないなら、その一点だけでもお聞きください。制度の全体説明より、御社の条件に当てはめた話の方が早いはずです。
MOOZ事業協同組合 https://mooz-gr.jp