特定技能の受入れ枠、食品製造は75%・介護は63%まで

特定技能の受入れ枠、食品製造は75%・介護は63%まで

外食業では、上限の手前で受け入れが止まった

入管庁は2026年3月27日、特定技能「外食業分野」の在留者が2月末で約4万6千人になり、5月ごろに受入れ見込数(上限5万人)を超える見込みだと公表しました。これを受けて、4月13日以降に受け付けた在留資格認定証明書の交付申請(海外から呼ぶ場合の申請)は交付しない、ほかの在留資格から外食業の特定技能への変更申請も原則として許可しない、という扱いが始まっています。

例外はごく一部です。外食業ですでに特定技能1号として働いている人の転職、医療・福祉施設の給食製造で技能実習を終えた人、移行準備の特定活動の許可をすでに受けている人などに限られます。

ここで見落とされがちなのは、止まったのが上限に達した後ではなく、達する見込みになった時点だったことです。2月末の時点では、まだ9割強しか埋まっていませんでした。

入管庁が9月に掲載した外食業の審査状況を見ると、審査は変更申請を優先しており、認定証明書は1月31日までに受け付けた分が処理の対象になっています。止まる前に出した申請も、結果が出るまでに時間がかかっているのが分かります。

この記事のポイント

食品製造と介護は、どこまで埋まったか

では、ほかの分野はどうか。入管庁は「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数」の令和8年6月末時点の速報値を公表しています。受入れ見込数は2026年1月23日の閣議決定で定められた、2029年3月までの上限です。当組合の得意業種に近い分野を抜き出すと、次のとおりです。

分野 受入れ見込数 6月末の在留者数 充足率 この1年の増加
飲食料品製造業 133,500 100,769 75.5% 16,698
介護 126,900 79,884 63.0% 24,968
工業製品製造業 199,500 62,033 31.1% 10,970
ビルクリーニング 32,200 10,171 31.6% 2,753
宿泊 14,800 2,556 17.3% 1,291
外食業(参考) 50,000 49,060 98.1% 13,289

飲食料品製造業の残りは約3万3千人です。この1年と同じ約1万7千人ずつ増えると、2年ほどで埋まります。介護は残り約4万7千人ですが、増え方が年に約2万5千人と速く、こちらもおよそ2年です。どちらも2028年の半ばごろという計算になり、上限の期限である2029年3月より前に届きます。

これは当組合が公表値から出した単純計算で、予測ではありません。増え方は年によって変わりますし、受入れ見込数そのものも見直されることがあります(今年1月にも再設定されました)。ただ、外食業が9割強の時点で止まったことを考えると、食品製造と介護の担当の方は「まだ4分の1残っている」とは受け取らないほうがよいと考えています。

一方、宿泊(17.3%)や工業製品製造業(31.1%)は、今のところ枠を理由に計画を急ぐ状況ではありません。

MOOZ事業協同組合

影響が出るのは、実習生を特定技能へ移すとき

「うちは技能実習で入れているから、特定技能の上限は関係ない」という声をよく聞きます。入り口については、その通りです。技能実習には、分野ごとの人数の上限はありません。

影響が出るのは出口です。3年の実習を終えた人が同じ会社で特定技能として働き続けるには、在留資格の変更が必要で、その人数は分野の受入れ見込数に入ります。外食業では、上限が近づいた時点でこの変更が原則として止まりました。

具体的な例を1つ挙げます。今月16日に監査で伺った兵庫県の惣菜工場(そう菜加工・女性5名)は、5人とも2024年8月の入国です。3年の実習を終えるのは2027年の夏です。そのまま特定技能に移ってもらう場合、そのころの飲食料品製造業の枠は、上の計算だと8割台の後半に入っています。外食業が止まったのと近い水準です。

5名や10名をまとめて受け入れた工場ほど、修了の時期も重なります。同じ月に全員の変更申請が必要になるため、枠の影響をまとめて受けることになります。

海外から特定技能で直接呼ぶ計画を2027〜2028年に立てている場合も同じです。止まるときは、在留資格認定証明書の交付から止まります。

当組合の案内

食品製造と介護の受け入れ先には、いま次のように案内しています。

実習生を特定技能へ移す予定があるなら、移行の時期を人ごとに確定させ、準備を前倒しにする。 特定技能1号には技能試験と日本語試験(日本語能力試験N4またはJFT-Basic)の合格が必要です。ただし、技能実習2号を良好に修了した人は、同じ系統の分野に移る場合、これらの試験が免除されます。どちらのルートで移るかを早めに確かめ、申請が集中する時期より前に出せる状態にしておきます。

2028年以降の増員を特定技能の新規採用だけで組まない。 技能実習の受け入れ申請は2027年2月までで、2027年4月からは育成就労が始まります。現時点の情報では、育成就労にも分野ごとの受入れ見込数を定める仕組みがあり、詳細は今後の運用で変わる可能性があります。当組合への相談でいま一番多いのが「技能実習で今入れるか、育成就労を待つか」ですが、食品製造と介護については、特定技能の枠の状況も並べて判断材料にしていただいています。

外食業の例外や審査状況は変わることがあるため、申請の直前には入管庁の最新情報をご確認ください。

ご相談の前にそろえておくと話が早いもの

  • 在籍中の技能実習生の入国年月と、実習を終える予定の年月
  • そのうち特定技能への移行を考えている人数
  • 2027〜2029年に増やしたい人数と、寮やシフトで受け入れられる上限

この3つがあれば、移行の時期と枠の見通しを並べて、どの年に何人をどの制度で受け入れるかを一緒に組み立てられます。当組合は三重県津市の監理団体で、東海地方を中心に、ミャンマー人材の受け入れを2名からお手伝いしています。特定技能への移行後の支援は、グループの登録支援機関である株式会社NADyが担当します。費用は受け入れ人数と職種を伺ったうえで、初期費用と月々の監理費を実額でお出しします。

ご相談はこちらからどうぞ。 https://mooz-gr.jp