育成就労の枠は2年で42万6千人、食品製造は6万1,400人

育成就労の枠は2年で42万6千人、食品製造は6万1,400人

「育成就労にも、特定技能みたいな上限はあるんですか」

今日の午前に特定技能の枠が埋まってきている話を書いたところ、この質問がすぐ出てきました。答えは「あります」です。そして、多人数で受け入れる予定の会社には、特定技能の枠よりも先に関わってくる数字かもしれません。

2026年1月23日の閣議決定で、育成就労の受入れ見込数は、制度が始まる2027年4月から2029年3月までの2年間で、17分野の合計42万6,200人と決まりました(出入国在留管理庁「特定技能制度及び育成就労制度の受入れ見込数について」)。特定技能1号の80万5,700人と合わせると、両制度で123万1,900人です。

分野別に見ると、枠の大きい順に建設12万3,500人、工業製品製造業11万9,700人、飲食料品製造業6万1,400人、介護3万3,800人です(介護の数字は福祉新聞の報道による)。この4分野で33万8,400人になり、全体の約8割を占めます。

2つの上限を分けて考える

育成就労の「上限」の話では、性質の違う2つの数字が混ざりやすいので、先に分けておきます。

1つ目は会社ごとの人数枠です。技能実習と同じように、受け入れ企業の常勤職員の数に応じて、1社で受け入れられる人数が決まります。これは自社の常勤職員数を数えれば分かります。

2つ目が今回の国全体の分野別の枠、受入れ見込数です。自社の人数枠に余裕があっても、分野の枠が埋まりそうになれば新しい認定が止まる可能性があります。自社の努力ではどうにもならない数字なので、計画の前提として押さえておく必要があります。

受入れ見込数は、各分野で生産性の向上や国内での人材確保に取り組んでも、なお2029年3月末時点で足りない人数として計算されたものです。「これだけ入れてよい」という目標ではなく、「これ以上は入れない」という上限として運用されます。

この記事のポイント

食品工場の場合、1年に約3万人

当組合の得意業種でいちばん関係するのは飲食料品製造業です。弁当、惣菜、水産加工、パンや菓子の製造もこの分野に入ります。

6万1,400人を2年で割ると、1年あたりおよそ3万人です。全国の食品工場がこの枠を分け合います。

飲食料品製造業の分野別運用方針では、受け入れ数が見込数を超えそうになると、農林水産大臣が法務大臣に育成就労認定の一時停止を求める仕組みになっています。つまり、止まるのは入国の段階ではなく、その手前の計画認定の段階です。

では、どれくらいの速さで埋まるのか。正直に書くと、分かりません。育成就労はまだ始まっていないので、埋まり方の実績がありません。

ただ、参考になる前例はあります。特定技能の外食業は、2026年2月末に在留者数が上限5万人の9割強に達した時点で「5月ごろに超える見込み」とされ、4月13日以降の申請から新規受け入れが原則止まりました。上限に届いてからではなく、届きそうになった段階で止まっています。

育成就労でも同じ運用になるかは、現時点の情報では決まっていません。それでも「2年目の後半になれば枠が残っていないかもしれない」という前提で動くほうが安全だと、当組合は考えています。

MOOZ事業協同組合

介護は枠が小さい

介護の3万3,800人は、上位4分野の中でいちばん小さい枠です。1年あたりにすると約1万7千人です。

介護施設は、特定技能で直接採用する選択肢もあります。一方で、育成就労で3年かけて育て、その後に特定技能へ移ってもらう流れを考えている施設にとっては、入り口となる育成就労の枠がこの大きさだということは知っておいてください。

宿泊分野の育成就労の枠は、今回確認できた一次情報では数字をはっきり示せませんでした。宿泊業の方は、観光庁の分野別運用方針と入管庁の最新資料で確認してください。当組合でもご相談の際に最新の数字をお調べします。

技能実習で入れるか、育成就労を待つか

いま当組合に来る相談で一番多いのは、「技能実習で今入れるか、2027年4月の育成就労を待つか」です。分野の枠の話は、この判断材料の一つになります。

技能実習には、分野ごとの国の人数上限はありません。技能実習の受け入れ申請は2027年2月までに出す必要がありますが、そこに間に合えば、国の枠を気にせずに受け入れられます。ただし、3年の実習を終えて特定技能へ移るときは、特定技能の分野の枠に入ることになります。

育成就労を選ぶなら、制度の初年度に計画を出せるよう準備しておくことが、枠の面ではいちばん確実です。施行日前の申請はすでに始まっています。

当組合の案内は、多人数で考えている食品工場と介護施設については「待つ理由がはっきりしないなら、技能実習での受け入れを先に検討する。育成就労にするなら初年度に出す」というものです。育成就労のほうが合う会社もあるので、どちらかに決めつけることはしません。ただ、「様子を見てから2028年に」という計画は、枠の面では一番リスクが高いと考えています。

相談の前に用意していただくもの

ご相談いただくときは、次の3つが分かっていると話が早く進みます。

  • 常勤職員の数(会社ごとの人数枠がここで決まります)
  • 2027年から2029年にかけて増やしたい人数と、時期の希望
  • 寮やシフトで一度に受け入れられる人数

これがあれば、技能実習と育成就労それぞれの場合の人数の上限、申請の締め切りから逆算したスケジュール、初期費用と月々の監理費の内訳を実額で並べてお見せできます。育成就労では、本人が送り出し機関に払う費用の上限が月給の2か月分までとされ、超えた分は受け入れ企業などが負担する仕組みになる予定なので(現時点の情報では)、見積もりはその部分を分けてお出しします。

MOOZ事業協同組合(三重県津市)は、ミャンマー人材の受け入れを専門にする監理団体です。食品製造・介護・宿泊・製造業を中心に、2名から受け入れています。育成就労計画の必要書類のご案内や、分野別協議会への加入を含めた手続きのサポートもします。

ご相談は https://mooz-gr.jp からどうぞ。三重県・東海地方の会社はご訪問しての打ち合わせもできます。