ミャンマー人材の日本語は、毎月の成績表で配属前に見える
成績表に載っているのは、点数だけではありません
ミャンマーで日本語を学んでいる実習生候補について、提携している現地の日本語学校から毎月成績表が届きます。日本語がどこまで進んだかと並んで、「生活態度」の評価も載っています。
受け入れ企業に配属されるずっと前から、一人ひとりの学び方と暮らし方が記録されているということです。
「ミャンマーの人は、本当に日本語を話せるのか」と聞かれたら、私たちはまずこの話をします。面接の数十分で分かることは限られます。数か月分の記録があれば、配属初日に誰に何を任せるか、寮の部屋割りをどうするかまで、前もって考えられます。

技能実習は、日本語の合格ラインを法律で決めていません
この成績表をなぜ大事にしているのか。理由は制度にあります。
技能実習では、日本語試験の合格は在留資格の要件になっていません。法令で決まっているのは講習の枠組みです。技能実習法の施行規則では、団体監理型の場合、入国後に監理団体が講習を行うことになっています。科目は日本語、日本での生活一般、法的保護に必要な情報(入管法・労働基準法など)、技能を身につけるのに役立つ知識です。総時間は、第1号技能実習の予定時間全体の6分の1以上と定められています。講習期間中は、実習生を現場の作業に就かせることはできません。
ただし、入国前6か月以内に1か月以上かつ160時間以上の講習を受けるなど、一定の条件を満たしていれば、入国後講習は12分の1以上に短くできます。入国前の教育をきちんと積んでいれば、現場に入れる時期もそれだけ早くなります。
法令が決めているのは、講習の時間と科目までです。どこまで話せるようになるかは、送り出し側と監理団体の教え方次第で、差がつくのはここです。
なお、ミャンマーとは2018年4月19日に技能実習に関する協力覚書が作成されています。外国人技能実習機構は、相手国政府が認定した送出機関の一覧を公開しています。
毎月、名前を挙げてやり取りしています
現地の日本語学校とのやり取りでは、全体の平均点の話はほとんどしません。個々の実習生について、名前を挙げて話します。
たとえば「記憶力は良いが、集団生活の経験が薄い」といった具合です。配属されるずっと前から、こうした人物像が私たちのところに届きます。
進み具合も課ごとに記録されていて、「会話は第1課まで、文法は第9課まで」という細かさで分かります。同じ時期に勉強を始めた人でも、進み方はまったく違います。周りの生徒が分からないところを教えられるほど進んでいる人もいれば、伸び悩んでいる人もいます。
教科書は『みんなの日本語 第二版』です。文字だけで覚えるのではなく、会話の映像教材を組み合わせ、実際のやり取りの様子を見せながら身につけてもらっています。単語集に付いている絵コンテも、試験対策として必須にしています。絵を見て何の場面かを判断する練習を、早い段階から並行して入れているということです。
日本語だけを見ているわけではありません。講習のときに注意が必要だった点は、配属後の現場でもやはり出やすいと感じています。月次の成績表に「生活態度」の欄があるのは、そのためです。

配属後は、日本での様子が現地の教室に戻っていきます
実習生が日本に来たら、やり取りが終わるわけではありません。
私たちが巡回訪問で見たことは報告にまとめ、現地の日本語学校に送っています。受け取った報告は先生全員に共有され、内容を話し合ったうえで授業の改善に使われています。日本の職場で何に困っていたかが、次に来る人たちの教え方に反映される。毎月のやり取りは、この往復のためにあります。
配属後に、送り出し機関の先生にも入ってもらって、監理団体・日本語学校・送り出し機関の3者でオンライン面談をすることもあります。「日本に慣れた」「日本人ともうまくいっている」と話してくれる人がいる一方で、反応の薄い人もいます。反応が薄い人ほど、現地で教えていた先生の目が役に立ちます。
同じ時期に来ても、2年で差がつきます
昨日の監査で伺った兵庫県の食品工場(そう菜加工・女性5名)では、5人全員が2024年8月に入国しています。それでも今の日本語力はN2からN4まで幅があります。同じ時期に来て同じ職場にいても、2年でこれだけ差がつきます。
何人かまとめて受け入れる企業ほど、この差は現場の運営に直接響きます。誰を指示の伝え役にするか、誰と誰を同じシフトや同じ部屋にするか。入国前から個人ごとの記録があれば、こうしたことを配属前に決めておけます。周りに教えられる人がいると分かっていれば、その人を最初からライン内の橋渡し役にする、という判断もできます。
寮の考え方も同じです。「集団生活の経験が薄い」と分かっている人は、最初の数か月の見守り方を変えられます。
監理団体を比べるなら、「毎月、何が届くのか」を聞いてください
入国前講習の時間数は、法令の枠があるので、どこに聞いても大きくは変わらないはずです。比べるなら、その教育の結果を、監理団体が毎月どんな形で受け取り、企業にどう伝えているかを聞いてください。私たちは、面接の印象だけで配置を決めるより、配属前の記録を合わせて見るほうが、最初の数か月のつまずきを減らせると考えています。ただ、記録があっても定着を約束できるわけではありません。判断の材料が増える、ということです。
MOOZ事業協同組合(三重県津市)は、ミャンマー人材を専門にしている監理団体です。受け入れは2名から、女性の実習生が中心で、男性はミャンマー側の事情により35歳以上が対象になります。食品製造(弁当・惣菜・水産加工)、介護、縫製・電子部品組立、宿泊・クリーニング、溶接・自動車部品での受け入れが多くあります。
ご相談のときは、次の4点が分かっていると話が早く進みます。
- 任せたい作業の内容
- 受け入れたい人数
- 寮を用意できるか
- 配属を希望する時期
いちばん多いのは「初期費用と毎月の監理費を実額で知りたい」というご相談です。人数と職種を伺ったうえで、内訳をお示しします。実際の成績表でどんなことが分かるのかも、そのときにご説明します。
MOOZ事業協同組合 https://mooz-gr.jp