2027年4月をまたぐ採用計画|実習で今入れるか待つか
結論:分かれ目は「いつ人手が必要か」
2027年前半までに現場に人が必要なら、技能実習で進める道はまだ残っています。
夏以降でよいなら、育成就労を待つほうが手戻りがありません。
迷って何もしないのが、いちばん選択肢が減ります。

どちらを選ぶかの目安
| こういう状況なら | こちらを検討 |
|---|---|
| 2027年前半までに配属したい | 技能実習(期限内の申請が必要) |
| 配属は2027年夏以降でよい | 育成就労を待つ |
| すでに実習生がいて、次の受け入れを重ねたい | 技能実習(3号の可否を先に確認) |
| 転籍ルールや新制度の運用を見てから決めたい | 育成就労を待つ |
どちらが優れているという話ではありません。技能実習を選ばない理由は「2027年6月30日という入国期限に間に合わないなら選べない」こと、育成就労を選ばない理由は「配属が2027年春以降にしかならない」ことです。判断材料は実質この2つだけです。
技能実習で入れる場合の3つの日付
育成就労法などの施行日は2027年(令和9年)4月1日です。施行日をまたぐ技能実習については、入管庁とOTIT(外国人技能実習機構)が経過措置を示しています。
| 日付 | 意味 |
|---|---|
| 2027年3月31日 | 技能実習計画の認定申請ができる期限 |
| 2027年6月30日 | 実習開始日(入国)の期限 |
| 2027年4月1日 | 施行日。この時点で実習中なら、認定計画のとおり継続できる |
入管庁の「育成就労制度Q&A」では、施行日時点ですでに来日している技能実習生は引き続き認定計画に基づいて技能実習を続けられ、1号から2号への移行も可能とされています(Q78)。施行日前に計画の認定を申請し、施行日以降に認定を受ける場合も、実習開始日が2027年6月30日以前であれば対象になります。
実務上の注意は、3月31日ぎりぎりに申請しても間に合わないことです。計画の認定審査のあとに在留資格の手続きと入国準備があり、通常は数か月かかります。6月30日の入国期限から逆算すると、面接・送り出し機関での準備を含めて、今から動き出して年内〜年明けに申請できる形が現実的です。
見落としやすいのは「3号に進めるかどうか」
これから入国する実習生については、技能実習3号(4〜5年目)に進めない前提で計画を立ててください。
入管庁のQ&Aでは、施行日時点で技能実習2号で在留している方が3号に移行するには、2027年4月1日の時点で技能実習2号の活動を1年以上行っていることが必要とされています(Q79)。OTITも、技能実習計画認定申請の案内で「令和7年4月2日以降に新たに技能実習生として入国した方は、技能実習3号に移行できない可能性がある」と注意を出しています。
1号が1年であることを考えると、今から入国する方は2027年4月時点で2号を1年やっていることになりません。つまり実質的に「1号+2号の3年で区切り」になります。
ここは悲観する話ではありません。施行後も当分の間、技能実習2号を良好に修了した方は特定技能1号へ移行できるとされています(同Q80)。3年目の終わりに特定技能へ移行して同じ現場で働き続ける、という設計にしておけば、5年の就労は確保できます。当組合では特定技能の支援はグループ企業の株式会社NADy(登録支援機関)が担当しますので、移行を見込んだご相談も一緒に承れます。

育成就労を待つ場合:申請の入口はもう開いています
現時点の情報では、育成就労の受け入れ準備はすでに始まっています。
- 監理支援機関の許可申請(施行日前申請):2026年4月15日から受付
- 育成就労計画の認定申請(施行日前申請):2026年9月1日から受付
出典は入管庁「育成就労制度Q&A」およびOTITの育成就労計画認定 施行日前申請のページです。
ただし、申請の受付が始まっていることと、人が来ることは別です。在留資格「育成就労」が動くのは施行日の2027年4月1日以降ですから、配属は早くても2027年春以降になります。そこから面接・入国準備の期間が乗ります。「待つ」を選ぶなら、現場の人員計画も2027年夏以降で組んでおくのが安全です。
なお、育成就労で受け入れるには、組合側が監理支援機関としての許可を新たに取る必要があります。今の監理団体の許可が自動で引き継がれるわけではありません。どの組合と組むか検討中であれば、許可申請の状況を確認しておくと安心です。
一番多い誤解:途中で切り替えはできません
「とりあえず技能実習で入れて、2027年4月になったら育成就労に変えればいい」——これはできません。
施行日時点で技能実習中の方は、経過措置により技能実習のルールのまま実習を続けることになり、その期間中に育成就労へ切り替えることは認められていません(入管庁「育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置について」)。技能実習を修了して一度帰国したうえで、所定の要件を満たせば、あらためて育成就労の在留資格で入国できる可能性がある、という整理です。
ですから、今回の判断は「どちらを先にやるか」ではなく、その人材については「どちらの制度で3〜5年を設計するか」という判断になります。
企業が今やること
- 人手が必要な時期を月単位で決める。2027年前半か、夏以降か。
- 前半なら、技能実習で年内〜年明けに計画の認定申請ができるよう、面接時期から逆算する。必要書類のご案内は組合から差し上げます。
- すでに実習生がいる場合は、2027年4月1日時点で2号を1年以上行っているかを一人ずつ確認する。3号に進めない方は、特定技能1号への移行を前提に配置を考える。
- 夏以降でよいなら、育成就労での受け入れを前提に、組合の監理支援機関許可の状況と、自社の対象分野・業務区分を確認する。
この記事で扱わないこと
育成就労の転籍要件、日本語要件の詳細、分野別協議会への加入、費用の内訳は扱っていません。政省令で変わりうる部分もあるため、確定した内容は入管庁の最新情報をご確認ください。
ご相談
「うちの現場だと、どちらで組むのが現実的か」は、業種・人数・配属希望時期を伺えば整理できます。MOOZ事業協同組合は三重県津市の監理団体で、ミャンマー人材を専門に扱っています。受け入れは2名から対応しています。
ご相談は公式サイトから承ります。 https://mooz-gr.jp
出典
- 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/faq/ikusei_qa_00002.html
- 出入国在留管理庁「育成就労制度」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/index_00005.html
- 出入国在留管理庁「育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置について」 https://www.moj.go.jp/isa/content/001452771.pdf
- 外国人技能実習機構「育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置の説明資料について」 https://www.otit.go.jp/news/cat6/05f897441d69fbcb3ebc9e7813dc78bee17fdc92.html
- 外国人技能実習機構「育成就労計画認定施行日前申請」 https://www.otit.go.jp/employment_for_skill_development/cat/index.html
- 外国人技能実習機構「技能実習計画の認定申請」 https://www.otit.go.jp/implementer/procedure/license/