育成就労の3年間まとめ―受け入れ前から特定技能1号まで―

育成就労の3年間まとめ―受け入れ前から特定技能1号まで―

育成就労で入った人は、3年たっても自動で特定技能1号になるわけではありません。現時点の情報では、移るときに技能の試験と、A2相当の日本語の試験に受かっている必要があります。

受け入れ企業は、入国の半年以上前から3年目の試験まで、同じ道筋で準備を進めることになります。2027年4月1日の施行(予定)に向けて、育成就労計画の認定の施行日前申請は、2026年9月1日から外国人技能実習機構で受け付けています(出入国在留管理庁の案内)。

この記事は、10月25日から4回続けた連載「育成就労の3年間」の最後の回です。食品工場・宿泊施設・介護施設など、一度に3名以上をまとめて受け入れる会社に向けて、全体を1枚に並べ直しました。

1. はじめに ~「3年で終わり」でも「3年で自動的に特定技能」でもない~

育成就労とは、3年かけて特定技能1号の水準まで育てることを目的にした在留資格です。技能実習のように「修了したら帰国」が前提の制度とは、出口が違います。

ただ、出口までの道は自動ではありません。現時点の情報では、厚生労働省の資料に、段階ごとの目標が次のように並んでいます。

  • 就労を始める前:A1相当の日本語の試験に合格するか、A1相当の講習を受ける
  • 1年目:技能検定の基礎級などと、A1相当の日本語の試験
  • 特定技能1号に移るとき:技能の試験と、A2相当の日本語の試験(JLPTのN4におおむね相当)

1年目の日本語の試験は、「合格」とする資料と「受験」とする解説があり、扱いがはっきりしません。当組合では、運用要領の確定版が出るまで「合格を目指して準備する」と案内しています。

なお、移るための試験に落ちた場合も、再受験に必要な範囲で最長1年は在留を続けられる方針が示されています。詳細は政省令で変わることがあるため、入管庁の最新情報もあわせてご確認ください。

この記事のポイント

2. 3年間を1枚で見ると ~会社が動く時期は4回ある~

連載の4回分を、会社がすることだけに絞って並べました。

時期 本人に求められること 受け入れ企業がすること
入国まで A1相当の試験合格または講習 分野別協議会への加入、育成就労計画の認定申請、寮の準備
1年目 技能検定基礎級など・A1相当の試験 仕事と日本語の基礎を教える、受験の手配
2年目 (転籍が認められる時期に入る) 昇給・評価の道筋を示す、日本語の学習を続けさせる
3年目 技能の試験・A2相当の試験 特定技能1号への変更申請、支援体制の準備

表で並べると、会社が最も手を動かすのは「入国まで」と「3年目」です。この2つの時期は書類と申請が集中します。1年目と2年目は、日々の職場づくりが中心になります。

3. 入国まで ~申請はもう受け付けている~

育成就労計画の認定の施行日前申請は、2026年9月1日から始まっています。監理支援機関(今の監理団体にあたる組織)の許可の施行日前申請は、2026年4月15日からです(いずれも出入国在留管理庁の案内)。

入管庁の案内では、分野別協議会への加入を示す書類などがそろっていないと、追加の提出を求められ、審査が止まるとされています。分野の告示が出たのは介護が3月31日、工業製品製造業が5月8日、物流倉庫が6月26日と、分野によって時期がばらばらでした。

ミャンマー人材の場合は、もう一つ確かめることがあります。2026年10月時点で、ミャンマーとの育成就労の二国間の覚書は、まだ結ばれていません。当組合では、覚書の動きを見ながら、ミャンマー側の送出機関と入国前の日本語教育を先に進めています。

当組合で入国する女性の多くは、入国の時点でN3・N2を取得しています。入国前のA1の条件で止まることは、今のところ想定していません。

MOOZ事業協同組合

4. 1年目と2年目 ~同じ月に入っても、2年で差がつく~

1年目は、仕事と日本語の基礎を固め、終わりに試験を受ける1年です。2年目は、分野によって本人の希望による転籍が認められる時期に入ります。

転籍を制限できる期間は分野ごとに1年から2年の間で決まります。2025年9月に政府が示した案では、宿泊を含む9分野が1年、残りの分野は2年でした。自社の分野がどちらになるかは、分野別運用方針の確定版で確かめてください。

多人数で受け入れる会社に知っておいてほしいのは、同じ月に入った人でも伸び方はそろわないということです。

兵庫県の食品工場(そう菜加工・女性5名)の監査で。全員が2024年8月に入国した技能実習生でしたが、2年たつと日本語の伸び方に差がついていました。

これは技能実習の例ですが、育成就労では同じ差が、3年目の試験の結果にそのまま出ます。5名を同じ月に入れると、5名の試験の時期も重なります。早いうちから一人ずつの進み方を見て、試験の前に手を打てる会社と、そうでない会社とで結果が分かれます。

5. 3年目 ~特定技能1号に移る準備は、2年目の終わりから~

3年目の終わりに特定技能1号へ移るには、技能と日本語の試験に合格したうえで、在留資格の変更を申請します。移った後は、1号特定技能外国人支援計画にもとづく支援が始まります。

支援は自社で行うか、登録支援機関に委託します。当組合のグループでは、株式会社NADy(登録支援機関)が特定技能の支援を担当しています。

寮やシフトも、移る時期に見直しが要ります。特定技能1号になると、同じ分野の中で本人が転職することもできるからです。移ってからも続けて働いてもらえる条件を3年目のうちに示せるかどうかで、多人数を受け入れた会社の翌年の人員計画が変わります。

6. おわりに ~最初に確かめるのは、自社の分野の告示と協議会~

連載の5回分を通して、受け入れ企業が今すぐ確かめるのは1点です。自社の分野の告示が出ているか、協議会に入っているか。ここが未定のままだと、3年間の入口の申請が止まります。

MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、2027年4月以降に3名以上の受け入れを考えている食品工場・宿泊施設・介護施設に、入国したい月から逆算した申請の日程を先にお渡ししています。「技能実習で今入れるか、育成就労を待つか」は、いま当組合で最も多い相談です。その答えも、この日程表から出てきます。

連載はこの回で区切ります。各回の詳しい内容は、次の記事にあります。

  • 育成就労の3年間① 入国まで―計画の認定・A1・講習―
  • 育成就労の3年間④ 3年目と特定技能1号―試験と書類―

相談のときは、業種・受け入れたい人数・入国させたい時期の3つを伝えてください。こちらからは、申請から入国までの日程表と、費用の内訳をお返しします。

30分無料オンライン相談は、こちらから申し込めます。
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