弁当工場で実習生に任せられる作業は、許可証で決まります

弁当工場で実習生に任せられる作業は、許可証で決まります

弁当・惣菜の工場で技能実習生にどの作業を任せられるかは、会社が持っている食品衛生法の営業許可で決まります。そう菜製造業の職種で受け入れるには、そうざい製造業、複合型そうざい製造業、冷凍食品製造業、複合型冷凍食品製造業、飲食店営業(弁当、調理パン等の製造)のいずれかの許可が必要で、これは厚生労働省が定めるそう菜製造業職種の審査基準に書かれている条件です。水産加工の工場はもう一段細かく、自社が何を作っているかで職種そのものが分かれます。MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、食品工場からお問い合わせをいただいたとき、まず営業許可証の写しを見せてもらうところから始めています。

許可証のどこを見るか

弁当工場の方から「弁当は惣菜ではないから対象外ですよね」と言われることがあります。そうではありません。飲食店営業の許可のうち、弁当や調理パン等の製造にあたるものも、そう菜製造業の受け入れ要件として認められています。店舗で作って出すのではなく、工場で作って出荷しているのであれば、まず可能性があると考えてください。

一方で外れるものもあります。学校給食や病院給食のように、トレーに盛り付けてそのまま運ぶ形のものは、そう菜の定義から外れます。ただしこの場合は「医療・福祉施設給食製造」という別の職種が用意されていて、そちらで受け入れる形になります。つまり、できる・できないではなく、どの職種で申請するかという話です。

外国人技能実習機構が公表している移行対象職種一覧(令和8年7月29日時点)では、全体で96職種174作業。そのうち食品製造関係は12職種20作業です。食品は職種の数が多い分野で、自社がどこに入るかを見極めれば、たいていの工場に入口があります。

この記事のポイント

「必須業務が半分以上」という壁

許可の次に効いてくるのが、作業時間の配分です。技能実習制度運用要領では、実習計画に書く業務のうち必須業務が全体の2分の1以上、関連業務は2分の1以下、周辺業務は3分の1以下と決められています。さらに、それぞれの区分で安全衛生に関する業務を10分の1以上入れることが求められます。

ここでつまずく工場が実際にあります。人手が足りないのは洗浄工程だから洗浄だけをやってもらいたい、あるいは盛り付けラインに固定したい、という要望です。気持ちは分かりますが、それだと必須業務が半分に届かず、計画が認定されません。そう菜製造業の審査基準では、食材の選別・洗浄といった下処理から、漬け込み・成型カット、加熱調理、冷凍やレトルト殺菌、包装まで、一連の工程が必須業務として並んでいます。一人の実習生が複数の工程を経験する前提の制度になっているということです。

MOOZ事業協同組合では、受け入れ前の打ち合わせで必ずラインの工程表を見せてもらい、3年間でどの工程をどう回すかを一緒に組みます。ここを曖昧にしたまま入国させると、1年後の技能検定や巡回のときに困るのは会社のほうです。

水産加工は「何を作っているか」で職種が変わる

水産加工は、弁当・惣菜よりも区分が細かく分かれています。

職種 作業
加熱性水産加工食品製造業 節類製造/加熱乾製品製造/調味加工品製造/くん製品製造
非加熱性水産加工食品製造業 塩蔵品製造/乾製品製造/発酵食品製造/調理加工品製造/生食用加工品製造
水産練り製品製造 かまぼこ製品製造

自社の主力製品がこの中のどれに当たるかで、申請する職種も、2年目以降に受ける技能検定も変わります。逆に、どの区分にも当てはまらない製品しか作っていない場合、技能実習1号の1年で満了となり、2号に移行できません。1年で帰国する前提の受け入れは、教える側にも本人にも割に合いません。

判断が難しいのは、複数の製品を作っている工場です。刺身用のパック詰めと煮魚の両方をやっている、といったケース。このときは、実習生が実際に一番長く関わる工程を軸に職種を決めます。迷ったら、製品ごとの生産量と工程の一覧を持って相談してください。

MOOZ事業協同組合

実際に受け入れている工場の様子

兵庫県のそう菜加工の工場に、女性5名を受け入れています。全員が2024年8月の入国で、先日の監査で一人ずつ話を聞きました。

同じ日に一緒に来て、同じ職場で2年働いていても、日本語はN2に届いている人からN4の手前で足踏みしている人まで幅があります。これは能力の差というより、就業後の時間の使い方と、職場でどれだけ日本語を使う場面があるかの差です。作業指示だけで一日が終わるラインに入っている人は、どうしても伸びが鈍くなります。

5名を受け入れるとき、全員を同じ工程に固定せず、少しずつ配置をずらしておくと、この差が小さくなります。必須業務の割合を満たすためにも、結果として日本語のためにも、複数工程を回す形が噛み合います。

2027年4月の育成就労では何が変わりますか?

技能実習の細かい職種・作業の縛りは、育成就労では整理される方向です。飲食料品製造業分野については、育成就労の分野別運用方針が令和8年1月23日に閣議決定され、別紙15として位置づけられました。分野別の上乗せ基準告示も、2026年4月30日に農業とあわせて飲食料品製造業が追加されています。外国人技能実習機構は「技能実習2号移行対象職種と育成就労における分野(業務区分)との関係性について」という対応表も公表していて、今の職種が育成就労のどの業務区分につながるかを確認できます。

現時点の情報では、弁当・惣菜・水産加工はいずれも飲食料品製造業分野に入る見込みです。職種ごとにバラバラだったものが分野単位でまとまるため、製品を変えたり工程を広げたりしたときの扱いは、今より柔軟になると見ています。ただし育成就労は2027年4月施行予定の新制度で、細部は政省令や告示で変わりえます。断定はできません。

今いちばん多い相談が「技能実習で今入れるか、育成就労を待つか」です。食品工場についての当組合の案内は、はっきりしています。今すぐ人が要るなら、待たずに技能実習で進めてください。育成就労が始まっても、その時点で在留している実習生がいなくなるわけではありませんし、面接から配属まではどうしても時間がかかります。1年待って始めると、実際に人が立つのは2年後です。

まとめて何人か入れたい場合

多人数を一度に受け入れるときに詰まるのは、制度よりも寮とシフトです。

寮は、入国前に確保されていることが前提になります。一人あたりの居住面積の基準もあるので、5名を1部屋に詰めるという形は取れません。工場から自転車で通える範囲に物件があるかどうかで、受け入れ可能な時期が左右されます。三重県内でも、駅から離れた工業団地の近くは物件が薄く、探し始めが遅れると入国の時期がずれます。

シフトについては、深夜や早朝の勤務に入ってもらうこと自体が制度上妨げられているわけではありません。ただし実習計画に書いた作業と時間の配分は守る必要があるので、夜勤帯だけ作業内容が変わるようなラインでは、計画の書き方から詰める必要があります。

なお、当組合の受け入れは2名から可能です。5名以上でないと受けられない組合が多いため驚かれることがありますが、まず2名で様子を見て、翌年に増やす形も普通に取っています。逆に10名規模でも、複数名の手続きをまとめて進める形でお受けしています。

相談の前に用意していただきたいもの

初回のご相談で「受け入れられるかどうか」まで踏み込んでお答えするために、次の3つを用意してください。

食品衛生法の営業許可証の写し(どの業種の許可かが分かるもの)、製造している主な品目のリスト、そしてラインの工程表です。この3点があれば、どの職種で申請できるか、必須業務を満たせるか、何名まで受け入れられるかの見立てが立ちます。寮の候補が決まっていればさらに具体的な時期までお話しできます。

MOOZ事業協同組合は三重県津市の監理団体で、ミャンマー人材を専門にしています。食品製造は最も受け入れ実績の多い業種です。現地では入国前に日本語教育を行い、月ごとの成績表で学習の進み方と生活態度を記録しています。必要書類のご案内から入国後の巡回まで、担当者が同じ人間で通しで見る体制です。

三重県・愛知県・岐阜県を中心に対応しています。工場の見学と工程の確認からお受けしますので、まずはお問い合わせください。https://mooz-gr.jp