技能実習・育成就労のブローカー対策、契約前に見る3点

技能実習・育成就労のブローカー対策、契約前に見る3点

技能実習や育成就労で、悪質な仲介(ブローカー)を通さずに受け入れるには、契約の前に3つの名前を確かめることで足ります。監理団体の名前、送出機関の名前、そしてお金を受け取る相手の名前です。

どれも、外国人技能実習機構(OTIT)や法務省が公表している一覧と照らすだけで確かめられます。

特に関係するのは、「まとめて何名でも紹介できる」という話を受けた会社です。食品工場・宿泊・介護のように一度に多人数を受け入れる会社ほど、1回の確認で防げる損が大きくなります。

ブローカーが入り込むのは、名前が出てこないところ

受け入れの仕組みに出てくる組織は、本来は決まっています。

日本側は許可を受けた監理団体(育成就労では監理支援機関)です。海外側は、相手国の政府が認めた送出機関です。

ブローカーとは、この2つのあいだや外側に入り、本人や会社からお金を取る人のことを指します。

厚生労働省の有識者懇談会に2025年2月に出された資料でも、この問題が挙げられています。送出機関が、仲介業者(サブエージェント)やブローカーを使って人を集めている点です。

本人から取れる費用に上限を設けても、別の名目で上乗せされたり、日本側から仲介者に直接お金が渡ったりして、決まりが抜けられてしまう。そうした例が指摘されています。

つまり、ブローカーは「誰に払うのか分からないお金」の中に紛れます。確かめるのは、名前とお金の行き先です。

この記事のポイント

1. 監理団体の許可は、機構のサイトで5分で見られる

技能実習の監理団体は、主務大臣の許可を受け、許可証が交付されています(厚生労働省「技能実習制度」のページ)。

許可を受けた団体は、外国人技能実習機構のサイト🔗 外国人技能実習機構のページで確かめられます。

見るのは次の3点です。

  • 団体の名前と所在地が、名刺や契約書と同じか
  • 許可が「一般監理事業」か「特定監理事業」か(3号まで受け入れられるのは一般監理事業)
  • 許可の有効期間が切れていないか

監理団体の名前を出さずに「受け入れの段取りは全部こちらで」と話す人は、監理団体ではありません。その人がどの団体とつながっているのかを、先に聞いてください。

監理団体が許可を取り消されたときの動き方は、10月30日の記事(監理団体の許可取消し、受け入れ中の会社が先に確かめること)に書きました。

2. 送出機関の名前を聞き、認定の一覧と照らす

技能実習では、二国間の取決め(協力覚書)を結んだ国から受け入れる場合、相手国の政府が認定した送出機関を通します。

法務省の案内によると、送出国の政府から提供された認定送出機関の一覧は、外国人技能実習機構のサイトに載っています🔗 出入国在留管理庁のページ。

ミャンマーについては、法務省が公表しているミャンマーとの取決めの資料で、手数料の上限を超えて取った送出機関に対し、ミャンマーの労働省が業務停止から許可の取消しまでの処分を行い、同省のホームページで公表するとされています📄 出入国在留管理庁の資料(PDF)。

監理団体から送出機関の名前を聞いたら、その名前が一覧にあるかを照らしてください。「現地の知り合いが集めている」としか説明されない場合は、一覧と照らせません。照らせない話は進めないのが安全です。

育成就労(2027年4月1日施行)も、現時点の情報では、原則として二国間の取決めを結んだ国の認定送出機関から受け入れる形になります。

ミャンマーとの育成就労の取決めは、2026年11月時点でまだ公表されていません。最新の状況は入管庁の発表をご確認ください。

MOOZ事業協同組合

本人が払うお金に、上限はありますか?

育成就労では上限があります。

法務省の資料では、外国人が送出機関に払う費用はすべて合わせて月給の2か月分までとされています🔗 出入国在留管理庁のページ。

対象には、送出管理費・あっせん費用・入国前講習費などが入ります。送出機関は、費用の算出基準を決めてインターネットなどで公表することも求められています。

月給は、1年目の所定内賃金の月額(残業代などを含まない額)です。仕組みの詳しいことは10月16日の記事(育成就労の送出手数料は月給2か月分まで―会社が負う分と確かめ方―)にまとめました。

詳しい算定方法や例外は、入管庁・厚生労働省の「育成就労制度 運用要領」で変わることがあります。現時点の情報としてお読みください。

3. お金は「誰が・誰に・いくら」で分けてもらう

ここが3つのうちでいちばん大事な確認です。

見積もりを受け取ったら、会社が払うお金と、本人が払うお金を分けて出してもらってください。

会社が払うお金は、監理団体に払う費用(入会金・監理費など)と、送出機関に払う費用です。どちらも、請求するのが誰かを名前で書いてもらいます。

本人が払うお金は、送出機関が公表している費用の範囲に収まっているかを見ます。

監理団体でも送出機関でもない人への「紹介料」が見積もりにあれば、その場で止めてください。日本側からの支払いが仲介者に流れると、本人の負担と同じく、決まりの外にお金が出ていきます。

当組合への相談でいちばん多いのも、費用の話です。

初期費用と月額監理費の内訳を、実額で知りたい

こう聞かれることが、実際にいちばん多くあります。内訳が実額で出てくれば、そこに名前の分からない費目が紛れているかどうかも見えます。

多人数で受け入れる会社が、もう1つ確かめること

一度に5名、10名と受け入れる話では、人を集める段階を送出機関の外に頼む余地が大きくなります。

だから、面接の前に、候補者がどこで日本語を学んでいるのかを聞いてください。学校の名前、教科書、月ごとの成績の記録があるかどうかです。

当組合では、ミャンマーの提携先の日本語学校と、実習生一人ずつの名前を挙げて様子をやり取りしています。学校からは毎月、日本語の成績と生活態度の記録が届きます。

候補者を誰が育てているのかが、受け入れる前から見えます。これが、仲介者を挟まずに人が来ているかどうかのいちばん分かりやすい印です。

MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、送出機関の名前と、候補者が学んでいる学校の名前を聞いてから面接の日程を決めるよう案内しています。

契約の前に、まず1つだけ

いま話を受けている会社は、相手に「監理団体と送出機関の名前を、文字で教えてください」と頼んでください。

返ってきた名前を、外国人技能実習機構の一覧と照らす。最初の一手はこれだけです。

相談のときは、業種、受け入れたい人数、受け入れたい時期を教えてください。受けている話の見積もりがあれば、一緒にご覧いただけます。

当組合からは、ミャンマー人材で受け入れる場合の初期費用と月額監理費の内訳を実額で、入国までの日程の目安とあわせてお返しします。

30分無料のオンライン相談は、こちらからお申し込みいただけます。
MOOZ公式サイト

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