工業製品の特定技能、8割超の事業所が自社の実習修了者を採用

工業製品の特定技能、8割超の事業所が自社の実習修了者を採用

工業製品製造業の特定技能では、受け入れ方の1位は自社で技能実習を修了した人です。一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)の2025年度調査(2026年7月の報告)で、回答した事業所の82.4%がこのルートを選んでいました。

関係するのは、金属加工・電子部品・縫製などで、技能実習生を受け入れている工場です。採用の第一歩は、外で人を探すことではありません。修了の1年前に、残ってほしい人と話すことです。

「8割」は、人が残る割合ではない

82.4%は、受け入れルートを答えた5,660事業所のうち、そのルートを使った事業所の割合です。複数回答で、働く人のうち8割が同じ会社に残る、という意味ではありません。

このルートには、過去に修了して帰国していた人の再雇用も含まれます。また、報告書に離職率の数字はありません。

調査の対象はJAIMの賛助会員12,255事業所で、期間は2026年2月17日〜3月6日です。回収は6,707事業所(約54.7%)で、従業員100人以下が74.5%を占めます。

満足度は企業側の評価で、本人の声ではありません。この点を押さえて読むと、次の表がよく分かります。

受け入れルート 使った事業所 勤務態度・定着度に満足 今後「受け入れたい」
自社の技能実習修了者 82.4% 87.5% 65.4%
他社の技能実習修了者(転職) 40.4% 71.7% 19.6%
評価試験の合格者(国内) 11.4% 74.7% 15.1%
評価試験の合格者(海外) 4.6% 71.5% 9.0%

「満足」は「とても満足」「満足」の合計です。

この記事のポイント

他社の修了者を採る事業所が4割ある意味

自社の修了者も、他社から見れば採用の候補です。 他社の修了者を受け入れた事業所は40.4%ありました。

他社の修了者や試験合格者を受け入れた2,700事業所に、情報源を聞いた結果もあります。登録支援機関からの紹介が82.1%、すでに受け入れている外国人材からの紹介が23.7%でした。

JAIMのFAQ(2026年9月18日時点版)は、積極的な引き抜きの自粛を求めています。一方で、本人が賃金や環境を比べて転職すること自体は止められないとも書いています。

つまり、声をかけずに修了を迎えると、本人が他社を選ぶこともあるということです。

修了者を残すには、いつ何を決めればよいか?

MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、修了の1年前に、残ってほしい人を決めて本人の意向を聞くことをおすすめしています。これは組合としての案内で、制度の期限ではありません。

確かめる順番は次の4つです。

  • 事業所が対象か。 判断は日本標準産業分類に基づき、事業所ごとです。直近1年の製造品出荷額等も必要です
  • 本人の仕事が業務区分に入るか。 事業所が対象でも、業務区分に当たらなければ受け入れられません
  • 本人が要件を満たすか。 技能実習2号の良好な修了には、2年10か月以上の修了が必須です
  • 技能実習の職種が移行先の区分に合うか。 溶接の職種なら、「機械金属加工」へ評価試験なしで移れます

自社で受け入れていた人なら、過去1年以内に改善命令を受けていない場合、合格証書や評価調書の提出を省略できます。一時帰国は法令上の要件ではありません。JAIMへの入会審査では、産業分類の確認があります。

費用は、人数と支援を委託するかどうかで変わります。個別に内訳を出すほうが正確なので、この記事では金額を書きません。

MOOZ事業協同組合

同期が多い工場ほど、話し合いは早く始める

1事業所あたりの受け入れ人数に上限はありません。 FAQの回答では、支援計画に基づく義務を果たせることが前提です。製造業で派遣は認められず、原則は直接雇用です。

人数が多い工場で注意したいのは、同じ期の人の修了が重なることです。5名が同期なら、面談も申請の準備も5人分が同じ時期に来ます。

寮を続けるか、シフトや賃金をどうするかは、面談の前に会社の考えを決めておくと、全員に同じ説明ができます。

賃金の調査(2026年1月支給分)では、20万円未満の割合が特定技能1号で23.4%、同じ業務で年齢・勤続が近い日本人で16.6%でした。自社の修了者に示す金額は、まず社内の日本人と並べて確かめます。

残した後に差がつくのは、日本語と2号の準備

企業の満足度がいちばん低いのは日本語です。 どのルートでも「満足」以上は4〜5割で、「不満」以上が1割を超えました。

当組合の監査では、兵庫県の食品工場(そう菜加工・女性5名)で、2024年8月に入国した全員の間に、2年で日本語の伸び方に差がついていました。食品工場はこの調査の対象外ですが、同じ期でも差が出るのは工場の仕事でも同じだと私たちは見ています。

特定技能2号を考えるなら、日本語の準備はさらに早いほうが安心です。製造分野の2号評価試験とビジネス・キャリア検定3級の問題は、振り仮名付きですが日本語だけです。

調査の対象を2号の試験区分がある産業に絞ると、本人が2号を希望する人材がいる事業所は70.5%でした。一方で、2号評価試験を受けた人材がいない事業所は73.8%、試験対策が「特になし」は45.3%です。

日本語B1相当を求められた場合の対応は、「本人に任せる」が42.5%で最多でした。B1相当の扱いは、入管庁と経済産業省の最新情報をご確認ください。

技能実習の期間も、2号に必要な3年以上の実務経験に数えられます(製造業の現場に限り、飲食料品製造業は除きます)。

MOOZ事業協同組合で入国する女性の技能実習生は、多くがN3・N2を取得しています。修了後も続けてほしい工場には、入国の前から日本語の目標を決めて受け入れることをおすすめしています。

まず確かめるのは、修了が1年以内の人の名前

今いる実習生のうち、修了が1年以内の人を書き出し、残ってほしい人に印を付けてください。これから初めて受け入れる工場は、産業分類の一覧で事業所の製造品が対象かを確かめるところからです。

現時点の情報では、2027年4月に育成就労が始まる予定で、そこから特定技能1号へ進む流れになります。どの制度で始めるかも、修了後の働き方から逆算すると決めやすくなります。

MOOZ事業協同組合は三重県津市の監理団体で、受け入れは2名からです。特定技能の支援は、グループの株式会社NADy(登録支援機関)が担当します。

30分無料オンライン相談では、業種・人数・修了または受け入れの時期を教えてください。費用の内訳と日程の目安をお返しします。

MOOZ公式サイト

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