技能実習から特定技能へ、申請は就労開始の2か月以上前に

技能実習から特定技能へ、申請は就労開始の2か月以上前に

技能実習を終えた人を特定技能で雇い続けるなら、在留資格変更の申請は就労開始予定日の2か月以上前に出す必要があります。申請中であっても、実習計画が修了した時点で技能実習生としては働けなくなるからです。入管庁は「技能実習制度・特定技能制度関係者の皆様へ」という協力依頼の文書で、審査に1〜2か月程度かかること、申請が遅れて働けず生活に困る事例が報告されていることを示しています(2026年10月2日時点で入管庁ホームページに掲載)。

申請中なのに働けないのは、なぜですか

在留期間の更新や在留資格の変更を申請すると、結果が出る前に在留期間の満了日が来ても、すぐに在留できなくなるわけではありません。特例期間とは、申請の結果が出るまで、または満了日から2か月が経過するまでのいずれか早い時まで、それまでの在留資格のまま在留できる期間のことです(出入国管理及び難民認定法第20条第6項、第21条第4項)。在留期間が30日以下の人には適用されません。

この仕組みがあるので、「申請さえ出しておけば、今までどおり働ける」と理解している会社は少なくありません。更新の場合は、多くがそのとおりです。

技能実習から特定技能への変更は違います。技能実習生が働けるのは、認定を受けた実習計画の期間の中だけです。入管庁の文書には「在留資格変更許可申請に伴う特例期間中であっても、実習計画が修了した場合は、技能実習生として稼働することはできません」と書かれています。在留はできても、働くことはできません。許可が出るまで、本人の収入は途切れます。

審査にかかる期間について、同じ文書は「1〜2か月程度」とし、繁忙期にはさらに日数を要することもあるとしています。修了の直前に申請すれば、1〜2か月の空白が生まれる計算です。

この記事のポイント

更新の申請は満了の3か月前から45日前まで

入管庁は別の案内「在留期間内での変更又は更新許可を希望する場合について」で、在留期間の更新は満了する3か月前から45日前までに申請するよう努めてほしい、としています。書類が足りない場合は、在留期間内に結果が出ることは保証されません。

特例期間に入ると、働くこと以外のところで困りごとが出ます。マイナンバーカードを本人確認や電子証明書に使い続けるには、有効期限が切れる前に市区町村の窓口で有効期間の更新手続が必要です。預貯金口座は、在留期間の満了日までに金融機関へ届け出ないと、翌日以降の取引が制限される場合があります。給与の振込先が止まれば、会社の事務にも響きます。

こちらは技能実習2号への移行時の更新にも、特定技能の更新にも当てはまる話です。

MOOZ事業協同組合

影響が大きいのは、同じ月に何人も入国した工場

1人だけなら、空白が出ても応援で埋められるかもしれません。同じ月に入国した人が何人もいる工場では、全員が同じ日に修了を迎えます。

9月16日に監査で伺った兵庫県の食品工場(そう菜加工・女性5名)は、5名全員が2024年8月の入国でした。入国から3年となる2027年の夏ごろに、5名がそろって節目を迎える計算になります。特定技能へ進むかどうかは本人と会社が決めることですが、進むのであれば5名分の申請を同じ時期に出すことになり、遅れたときに働けなくなるのも5名同時です。

食品工場や宿泊、介護のようにシフトで回している職場では、1〜2か月の欠員はそのまま残業や減産につながります。寮費や生活費は発生し続けるので、収入のない本人の負担も軽くありません。

修了日から逆算して、いつ何を始めるか

起点は在留カードの満了日ではありません。実習計画の修了日です。そこから2か月以上さかのぼった日が、申請の期限になります。

申請の前に済ませておくことがいくつかあります。技能実習を良好に修了したことを示す材料として、技能検定3級または技能実習評価試験(専門級)の実技試験の結果が基本になるため、受検の時期が後ろにずれると申請も遅れます。特定技能の雇用契約と支援計画を整えること、分野によっては協議会への加入を申請より前に済ませることも必要です。必要書類は入管庁が「特定技能」の提出書類一覧表にまとめており、2026年10月1日に改定されています。古い一覧で準備を進めていた場合は、最新版と照らし合わせてください。在留手続の手数料も同じ10月1日に改定されています。

MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、修了の半年前には本人の意向を聞き始めるのが無理のない線だと考え、そのようにご案内しています。意向の確認、試験、契約、書類と順に進めると、2か月前の申請に間に合わせるにはそのくらいの幅が要ります。人数が多い場合は、全員分を一度にそろえるより、意向が固まった人から先に準備を始めるほうが確実です。

今日できることは、受け入れている実習生の修了日を一覧にして、同じ月に何人が重なるかを見ることです。その表があれば、相談の場で話が早く進みます。

特定技能への移行後の支援は、グループ企業の株式会社NADy(登録支援機関)が担当します。技能実習の修了から特定技能への切り替えまで、必要書類のご案内と手続きのサポートを一続きで行っています。三重県・東海地方で、修了時期が重なる実習生を複数名受け入れている会社は、修了日の一覧をお手元に https://mooz-gr.jp からご相談ください。個別の審査期間や必要書類は申請先の地方出入国在留管理局によって扱いが異なることがあるため、入管庁の最新情報もあわせてご確認ください。