更新申請中でも口座は止まりうる。特定技能の更新は45日前までに

更新申請中でも口座は止まりうる。特定技能の更新は45日前までに

特定技能や技能実習の在留期間の更新は、満了日の3か月前から45日前までに申請するのが目安です。出入国在留管理庁(入管庁)が2026年9月に「在留期間内での変更又は更新許可を希望する場合について」という案内をサイトに掲載し、この時期を示しました。申請中のまま満了日を過ぎると、在留は続けられても、本人の預貯金口座の取引が制限される場合があるためです。法律上の申請期限は今も満了日ですが、会社の段取りは45日前を締切に置き直す必要があります。

満了日までに申請すれば大丈夫、ではないのか

在留の面では大丈夫です。満了日までに更新や変更を申請していれば、結果が出る日か、満了日から2か月が経つ日の、どちらか早いほうまで、これまでの在留資格のまま日本にいられます(入管法第20条第6項、第21条第4項)。この期間を特例期間と呼びます。特例期間とは、申請の結果を待つあいだ、在留カードの満了日を過ぎても適法に在留できる期間のことです。

今回の案内が問題にしているのは、その特例期間に入ってからの生活です。入管庁は次の2点を挙げています。

1つめは預貯金口座です。在留期間の満了日までに金融機関へ届出をしないと、翌日以降の取引が制限される場合がある、と書かれています。

2つめはマイナンバーカードです。特例期間中も本人確認書類や電子証明書として使い続けるには、券面の有効期限(=在留期間の満了日)が過ぎる前に、市区町村の窓口で有効期間を更新する手続きが要ります。手続きをしないまま期限を過ぎると使えなくなります。

そのうえで入管庁は、特例期間に入る前に許可が出ることが望ましいとして、更新は「満了する3か月前から45日前まで」、在留資格の変更は「変更の事由が生じたら速やかに」申請するよう求めています。

この記事のポイント

会社にとって何が困るのか

口座の取引が制限されるとき、具体的に何ができなくなるかは金融機関によって違います。入管庁の案内もそこまでは書いていません。ただ、その口座が給与の振込先であれば、本人だけの話では済みません。家賃や携帯電話の引き落とし、母国への送金も同じ口座から出ていることが多いからです。

在留資格は切れていないのに、生活のほうが先に止まる。本人にとっては理由が分かりにくく、不安が大きい状況です。現場の担当者が銀行の窓口に付き添うことになれば、その時間も会社の負担になります。

MOOZ事業協同組合

人数が多い会社ほど、満了日は同じ月に重なる

まとめて受け入れた会社では、満了日もまとめて来ます。

9月16日に監査で伺った兵庫県のそう菜加工の工場では、女性5名が全員2024年8月の入国でした。入国が同じ時期なら、在留期間の区切りも同じ時期に並ぶのが普通です。5名なら5名分の書類を同じ週にそろえることになり、10名、20名と増えれば、1人の遅れが全体の遅れになります。

「2週間前に出せば間に合う」という感覚は、1名か2名のときに身についたものであることが多いです。人数が増えた会社は、締切の置き方を変える時期に来ています。

いつから、誰が対象か

案内はすでに掲載されており、在留カードまたは特定在留カードを持っている人が対象です。特定技能1号・2号の更新、技能実習の在留期間の更新や在留資格の変更は、どれも当てはまります。

2つだけ、別の案内が出ている場面があります。4月に就労を始める留学生の変更申請と、技能実習から特定技能への変更申請です。後者は申請の時期が別に示されているので、該当する方は入管庁の資料(https://www.moj.go.jp/isa/content/001468069.pdf)を見てください。

もう1点、早く出せば必ず満了日までに結果が出るわけではありません。入管庁は「申請に必要な書類が揃っていない等の場合を含め、必ずしも在留期間内での処分をお約束するものではありません」と明記しています。書類の不備があれば、45日前に出しても特例期間に入ります。

今月、会社がやること

費用は増えません。変わるのは着手の時期だけです。

まず、外国人社員全員の在留カードから満了日を書き出し、その3か月前と45日前の日付を横に並べた一覧を作ります。満了日が同じ月に固まっている人たちは、1つのグループとして扱います。

次に、3か月前の日付が来たら書類集めを始めます。納税や社会保険の証明書は、会社側で取り寄せるのに日数がかかるものがあります。45日前を申請日と決め、そこから逆算して社内の担当と期日を割り振ってください。

もし45日前に間に合わず、申請中のまま満了日を迎えそうなときは、満了日より前に、本人が口座のある金融機関へ届出を済ませます。何を持参すればよいかは金融機関ごとに違うため、先に支店へ聞いておくと当日に慌てません。マイナンバーカードを持っている人は、市区町村の窓口での手続きも満了日前に済ませます。

MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、技能実習生の在留手続きは満了の3か月前から受け入れ企業に必要書類のご案内を始めています。特定技能の方の更新は、グループの登録支援機関である株式会社NADyが同じ考え方で日程を組みます。「申請はしてあるから平気」と考えるより、「満了日までに新しい在留カードを本人に渡す」ことを目標にするほうが、結果として会社の手間が少ないと考えています。

複数名の満了日が重なっていて段取りに不安がある、いまの監理団体や支援機関から更新の連絡が満了の直前にしか来ない、という会社は、全員分の満了日の一覧だけ用意してご相談ください。三重県・東海地方を中心に、2名からの受け入れに対応しています。連絡先は https://mooz-gr.jp にあります。