介護の実習生は、いつから夜勤に入り人員に数えられる?
「人員に数えられる日」と「夜勤に入る日」は別です
介護施設が外国人材を採るとき、技能実習生は原則として就労開始から6か月たつまで人員配置基準に数えられません。特定技能は就労開始と同時に数えられます。夜勤はこれとは別に決まっていて、技能実習生だけの一人夜勤は認められず、業界のガイドラインでは夜勤に入るのは2年目以降が目安です。根拠は厚生労働省の介護報酬改定の資料と、技能実習「介護」の固有要件を定めた告示です。
人員配置基準とは、介護保険のサービスごとに「利用者何人に対して職員を何人置くか」を定めた基準で、これを満たさないと報酬が減算されます。採用した人がこの計算に入るかどうかで、採用の意味がまるで変わります。
欠員を埋めるつもりで4名受け入れたのに、半年間は配置基準上は「いない人」として扱われ、夜勤にはさらに先まで入れられない。採用を決める前に、ここを知らずに人数を計算している施設は少なくありません。

技能実習生は就労開始から何か月で人員配置基準に入る?
もともとの扱いは、就労開始から6か月を経過した技能実習生を算入する、というものでした。日本語能力試験のN1またはN2に合格している人は、例外として就労開始時から算入できます(厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会の資料「外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱いについて」)。
ここが2024年4月1日適用の令和6年度介護報酬改定で変わりました。施設側が、本人の日本語能力、指導の実施状況、管理者や指導職員の意見を踏まえて「この人を人員配置基準に算入する」と意思決定した場合は、就労開始直後から算入して差し支えない、とされています。
条件が2つ付いています。一定の経験のある職員とチームでケアを行う体制であること。そして、安全対策担当者の配置、指針の整備、研修の実施など、安全対策を組織として行う体制を整えていること。
つまり「6か月待てば自動的に入る」か、「体制を整えて施設が決めれば最初から入る」かの二択です。前者は何もしなくてよい代わりに半年分の人件費が配置基準に効かず、後者は効く代わりに、決めた経緯と体制を説明できる記録が要ります。
なお、ここで言う「就労開始」は入国の日ではありません。技能実習は入国後講習(介護職種は日本語科目が原則240時間以上)を終えてから配属されるので、入国から数えるとさらに後ろにずれます。
夜勤は、配置基準とは別の決まりで縛られています
技能実習「介護」の固有要件を定めた厚生労働省の告示では、夜勤業務など少人数の状況下での業務や、緊急時の対応が求められる業務をさせる場合、利用者の安全確保のために必要な措置を講じることが求められています。
厚生労働省の資料「技能実習『介護』における固有要件について」は、この中身をこう説明しています。技能実習生以外の介護職員を同時に配置すること。介護報酬上は一人夜勤が可能なサービスであっても、技能実習生一人による夜勤は認められないこと。そして、夜勤業務を行うのは2年目以降の技能実習生に限定するなどの努力義務が、業界のガイドラインに置かれていること。
2年目以降というのは告示の条文ではなく、ガイドライン上の努力義務です。ただ、監査や実地の指導で「なぜ1年目から夜勤に入れたのか」と問われたときに、根拠を持って答えられる施設は多くないはずです。
小規模な事業所ほど、ここが効きます。夜勤が1名体制のグループホームなどでは、実習生を夜勤に入れても、日本人職員の夜勤回数は減りません。必ずもう1人が要るからです。

3つの制度を並べると
| 人員配置基準に入る時期 | 夜勤 | |
|---|---|---|
| 技能実習 | 原則、就労開始から6か月後。N1・N2合格者は就労開始時から。2024年4月以降は、施設が体制を整えて意思決定すれば就労開始直後から | 実習生以外の介護職員を同時に配置。一人夜勤は不可。2年目以降が目安(ガイドライン上の努力義務) |
| 特定技能1号 | 就労開始と同時 | 一定期間、経験のある職員と協働するなど、ケアの安全性を確保する体制が求められる |
| 育成就労(2027年4月施行予定) | 現時点の情報では、取扱いを確認できていません | 夜勤などをさせる場合は、利用者の安全確保のための措置が必要(2026年3月31日公布の厚生労働省告示) |
特定技能については、国際厚生事業団の介護分野の相談窓口が、運用要領を根拠に「就労開始と同時に配置基準に算定可能」と案内しています。そのうえで、一定期間は経験を積んだ職員と協働でサービス提供に当たるなど、職場への順応を支え、ケアの安全性を確保する体制をとることが求められています。
育成就労は、2026年3月31日に公布された厚生労働省の告示(施行は2027年4月1日)に、介護分野の基準が書かれています。夜勤や少人数の状況下での業務をさせる場合に安全確保の措置を求める点は、技能実習と同じ書き方です。一方、人員配置基準に入る時期は介護報酬側の決まりで、現時点の情報では、育成就労をどう扱うかを私たちは一次資料で確認できていません。分かり次第、改めて書きます。
日本語がN2に届く人は、最初から数えられる
配置基準の話で見落とされやすいのが、N1・N2の例外です。就労開始の時点でN2を持っていれば、6か月を待たずに算入できます。
介護の現場ではありませんが、2026年9月に監査で訪ねた兵庫県の食品工場(そう菜加工・女性5名)では、全員が2024年8月に入国した同期なのに、日本語はN2からN4まで幅がありました。同じ時期に来ても、2年でこれだけ差がつきます。
介護の技能実習は、1年目でN4程度、2年目でN3程度が要件です。その先のN2まで届く人が何人出るかは、就業後の学習時間を施設が確保できるかどうかで変わります。夜勤に入る2年目の時点で申し送りを読み書きできるかどうかも、同じところで決まります。
多人数で受け入れる施設が、採用前に決めておくこと
MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、介護施設からご相談を受けたとき、まず次のように案内しています。
技能実習で受け入れるなら、1年目は日勤だけでシフトを組み、夜勤の戦力として数えるのは2年目から。配置基準への算入を就労開始直後から行うかどうかは、安全対策の体制と指導担当を先に決めてから判断する。今すぐ夜勤を含めて人員が要るなら、特定技能のほうが合っている。
4名、6名とまとめて受け入れる場合は、もう一つあります。技能実習指導員は実習生5名につき1名以上が必要で、そのうち1名以上は介護福祉士などの資格者です。実習生と同時に配置する日本人職員も要るので、「誰と誰を同じ勤務帯に入れるか」をシフト表の上で先に確かめておかないと、受け入れてから回らなくなります。
ご相談の前に、次の3つが手元にあると話が早く進みます。
- 常勤の介護職員の人数と、そのうち介護福祉士の人数
- 現在の夜勤の体制(1ユニット・1フロアあたり何名か)
- いつまでに、日勤・夜勤それぞれ何名の増員が要るか
この3つが分かれば、技能実習・特定技能のどちらで何名、いつ配属すれば配置基準と夜勤の両方に間に合うかを、その場で一緒に組み立てられます。受け入れは2名から可能です。費用は人数と制度によって変わるため、無料相談で内訳をご案内します。
三重県・東海地方を中心に、近畿の施設からのご相談もお受けしています。MOOZ事業協同組合(三重県津市)の公式サイトのお問い合わせフォームからご連絡ください。
https://mooz-gr.jp