特定技能44万人、最多は愛知。三重の工場が今決めること

特定技能44万人、最多は愛知。三重の工場が今決めること

入管庁は2026年9月29日、在留資格「特定技能」で日本に住む外国人が、2026年6月末時点で44万4,256人になったと発表しました(時事通信の報道)。半年前の2025年末から13.8%増え、過去最多です。居住先は愛知県が最も多く、三重・岐阜の工場にとっては、すぐ隣に最大の受け入れ地域があることになります。人が増えても「採りやすくなった」とは言えません。多人数の受け入れを考えている会社は、即戦力を特定技能で採る人数と、技能実習(2027年4月からは育成就労)で自社で育てる人数を、今のうちに分けて決めておく必要があります。

9月29日に発表された数字

時事通信によると、6月末時点の内訳は、特定技能1号が42万5,961人(2025年末比11.4%増)、熟練した技能が求められる2号が1万8,295人(同2.3倍)です。

国籍・地域別では、ベトナム、インドネシア、ミャンマーの順。居住先は愛知県、東京都、大阪府、埼玉県、千葉県の順で、大都市圏に集まっています。

制度が始まって約7年がたち、1号から2号に移る人が増えたことが、増加の背景として挙げられています。2号は在留期間の更新に上限がなく、家族の帯同もできる資格です。つまり「数年で帰る人」ではなく「長く日本で働く人」が、はっきり増え始めています。

分野別・都道府県別の細かい表は、入管庁の「特定技能在留外国人数の公表等」のページに掲載されています。自社の業種の人数を確かめたい方は、そちらの一次資料をご覧ください。

この記事のポイント

愛知が最多だと、三重の工場には何が起きるのか?

特定技能は、同じ分野の中であれば本人の意思で職場を移れる在留資格です。これは制度の趣旨どおりで、悪いことではありません。

ただ、受け入れる側から見ると、条件を比べられる立場に置かれるということです。時給、残業の有無、寮の設備、通勤、同じ国の仲間がいるか。愛知の大きな工場群が隣にある以上、三重の食品工場や部品工場は、この比較から逃れられません。

人数が半年で約5万4千人増えた(13.8%増からの計算)といっても、その人たちが空いている職場に均等に散らばるわけではありません。人は、条件の良いところと、知り合いのいるところに集まります。

MOOZ事業協同組合

いちばん多い相談は「今入れるか、待つか」

MOOZ事業協同組合(三重県津市)に、いま最も多く寄せられている相談は「技能実習で今入れるか、2027年4月の育成就労を待つか」です(2026年9月時点)。今回の統計は、この相談に「特定技能で直接採る」という3つ目の選択肢を並べて考える材料になります。

特定技能1号は、日本語能力試験N4またはJFT-Basicの合格が在留資格の要件です。制度上、働く人は必ず日本語の試験に合格しています。技能試験にも合格しているので、配属してすぐ現場に立てる。これが最大の利点です。一方で、先ほどの通り職場を移れます。会社側には、生活面の支援を自社で行うか、登録支援機関に委託する必要もあります(当組合のグループでは、株式会社NADyが登録支援機関として支援を担当しています)。

技能実習は、実習期間中は原則として職場が変わりません。日本語の法令要件がないぶん、入国前にどこまで教育するかは送り出し機関と監理団体によって差が出ます。育成就労は、現時点の情報では、一定期間の後に本人の希望で転籍できる仕組みになる予定で、詳細は政省令で変わりえます。

当組合では、一度に5名、10名と入れたい工場には、次のように案内しています。ラインの中心になる人数は、技能実習(育成就労)で同じ時期にまとめて迎え、寮とシフトを一緒に設計する。繁忙に合わせてすぐ埋めたい人数や、経験者が欲しい工程は、特定技能で採る。どちらか一方に寄せるより、辞めたときの影響が小さくなるからです。

見落としやすいのは、いまいる実習生

特定技能の人数を押し上げている大きな流れの一つが、技能実習からの移行です。技能実習を良好に終えた人は、分野が合えば技能試験や日本語試験を受けずに特定技能1号へ移れます。

ここで、移る先は今の会社でなくてもかまいません。3年間育てた人が、修了と同時に条件の良い隣県の工場へ移る。制度上は十分にありえることです。

逆に言えば、修了の半年前に「このまま特定技能で残るか」を本人と話しておけば、新しく採るよりずっと少ない費用と時間で、仕事を覚えた人に残ってもらえます。昇給の見通し、寮を出て一人暮らしをしたいか、家族を呼びたいか。本人が何を考えているかを聞くのが、最初の一手です。

今月決めておくこと

すぐに申請が必要な話ではありません。ただ、採用計画は「何人・いつまでに・どの工程に」が決まらないと、どの制度を使うかも決まりません。

まず、来年度に必要な人数を、工程ごとに書き出してください。次に、寮に何人まで入れられるか。多人数の受け入れでは、ここが上限を決めることが多いからです。最後に、修了が近い実習生がいれば、その人数と時期。この3つがそろえば、特定技能で採る人数と、技能実習・育成就労で育てる人数の配分を具体的に相談できます。

MOOZ事業協同組合は、三重県津市を拠点に、東海・関西の食品製造、介護、縫製・電子部品組立、宿泊・クリーニング、溶接・自動車部品の会社を中心に、ミャンマー人材の受け入れを支えています。技能実習は2名から受け入れられます。ミャンマー国籍は特定技能でも3番目に多い国籍で、当組合では提携先の日本語学校から毎月届く成績表で、配属前から一人ひとりの日本語と生活態度を確認しています。

上の3つを手元に用意して、https://mooz-gr.jp からご連絡ください。費用は、初期費用と月々の監理費を実額でお示しします。