外食の特定技能が都市へ46%。食品工場は次の番か

外食の特定技能が都市へ46%。食品工場は次の番か

外食業の特定技能で、地方から都市部への転職が増えています。時事通信が2026年10月8日に報じた民間調査では、7月の内定者の46.4%が東京・大阪・愛知など6都府県に決まりました。枠の残りが少ない飲食料品製造業や介護で、特定技能の人を雇っている地方の会社に関係する話です。

外食業では、停止から半年で都市部への転職が1.5倍近くになりました

受け入れ停止の前後で、都市部に決まる人の割合が14.5ポイント上がりました。

調査をしたのはマイナビグローバル(東京)です。外食業の特定技能を持つ人の、転職・就職の内定先を分析しています。

東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・愛知の6都府県に決まった人は、3月が31.9%、7月が46.4%でした。外食業の求人数は、停止後に2.8倍になったとのことです。

出典:時事通信「外国人材、都市部への転職急増」(2026年10月8日配信)
🔗 jiji.comのページ

外食業は2026年4月から、特定技能1号の新規受け入れが止まっています。特定技能1号とは、試験に合格した外国人が通算5年まで働ける在留資格です。海外から新しく呼べなくなったので、国内にいる有資格者に求人が集まりました。

特定技能は、同じ分野の中なら転職ができます。条件のよい都市部の求人が増えれば、人はそちらへ動きます。

この記事のポイント

なぜ飲食料品製造業と介護にも関係するのか

枠が埋まれば、同じことが起きる仕組みになっているからです。

特定技能は、分野ごとに受け入れ見込数(上限)が決まっています。JITCO(国際人材協力機構)が10月7日に更新した一覧では、7月末時点の充足率は次のとおりです。

  • 外食業:98.6%(在留資格認定証明書の交付を一時停止中)
  • 飲食料品製造業:76%超
  • 介護:64.2%
  • 19分野の合計:53.6%

出典:🔗 JITCOのページ

弁当・惣菜・水産加工の工場は飲食料品製造業に入ります。いつ上限に届くかは、当組合には分かりません。入管庁も時期を示していません。

ただ、上限に近づいた分野で何が起きるかは、外食業が先に見せてくれました。新しく採れなくなり、今いる人が引き抜かれる。この2つが同時に来ます。

三重県は、6都府県に入っている愛知の隣です。5名、10名とまとめて雇っている工場ほど、抜けたときにシフトが組めなくなります。

転職の理由は賃金だけではありません

「この会社では特定技能2号を取れない」と見切って動く人が相当いる、と調査会社は見ています。

記事の中で、マイナビグローバルの社長は2つの理由を挙げています。1つは高い賃金。もう1つが、特定技能2号を取る機会がないと考えての転職です。試験を支える体制は「採用の段階から非常に重要」とも述べています。

特定技能2号は、在留期間の更新に上限がなく、家族を呼ぶ道も開ける在留資格です。1号の5年が終われば帰国するしかない人にとって、2号を取れるかどうかは人生の分かれ目になります。

賃金で都市部と張り合うのは、地方の会社には苦しい勝負です。けれど、試験の支えは、地方の会社でも用意できます。

MOOZ事業協同組合

勉強を支えた会社と、任せきりの会社で差が出ます

日本語と試験の準備は、本人任せにすると数年で大きく開きます。

当組合が2026年9月16日に監査で訪ねた、兵庫県の食品工場(そう菜加工・女性5名)の例です。5名は全員、2024年8月の入国でした。

2年たった時点で、日本語はN2の人からN4の人までいました。同じ日に来て、同じ寮で暮らしていても、これだけ幅が出ます。

2号の試験は日本語で受けます。分野によっては、現場で人を指導した実務経験も求められます。3年目に入ってから慌てても、間に合わない人が出ます。

地方の会社が今月のうちに決めること

MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、特定技能の人がいる会社に、次の3つを先に決めることをおすすめしています。

  • 2号を目指す人を、会社として誰にするか
  • 試験の受験料と、勉強の時間をどう持つか
  • 指導の経験を積ませる持ち場を、誰にいつ任せるか

決めたら、本人に伝えます。「あなたには2号を取ってほしい」と言われた人は、都市部の求人を見る目が変わります。

これから採る会社には、順番も考えてほしいところです。技能実習は原則として転籍ができません。技能実習の新規の申請は2027年2月までで、2027年4月からは育成就労に切り替わります。

育成就労では、現時点の情報では、1〜2年の制限期間のあと本人の意向で転籍ができるようになります。国内の有資格者を取り合う採用だけに頼らず、自社で育てる人を今のうちに確保しておく。当組合はこの組み立てを案内しています。受け入れは2名から可能です。

まず確かめるのは、今いる人の在留期限と通算年数です

特定技能1号の人が、通算5年のうち何年目にいるか。一覧にしてみてください。残りが2年を切っている人から、2号の話を始めます。

ご相談のときは、次の3点を伝えていただけると話が早く進みます。

  • 業種と作業の内容(例:惣菜の盛り付け、介護施設の夜勤あり)
  • 今いる外国人材の人数と在留資格
  • 新しく受け入れたい人数と時期

MOOZ事業協同組合(三重県津市)
MOOZ公式サイト

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