特定技能の枠、食品製造は1か月で1,153人分減りました

特定技能の枠、食品製造は1か月で1,153人分減りました

特定技能の受入れ枠は、食品製造と介護であとどれだけ残っているのか。入管庁が2026年10月6日に更新した7月末時点の速報値では、飲食料品製造業が枠の76.3%(残り31,578人)、介護が64.2%(残り45,464人)でした。6月末からの1か月で、食品製造は1,153人、介護は1,552人増えています。2027年の後半以降に技能実習生を特定技能へ移す予定の食品工場と介護施設は、移行の年月を人ごとに確かめておく時期に入りました。

7月末の数字で何が変わったか

受入れ見込数とは、特定技能1号で受け入れる人数について、政府が分野ごとに定めた上限です。今の数字は2026年1月23日の閣議決定によるもので、2029年3月までの分にあたります。

入管庁の資料「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」によると、全分野の合計は432,016人で、枠全体(805,700人)の53.6%でした。この1年で89,093人増えています。

当組合の受け入れ先に近い分野を、9月に公表された6月末の速報値と並べます。

分野 6月末 7月末 1か月の増加 枠に対する割合
飲食料品製造業 100,769 101,922 1,153 76.3%
介護 79,884 81,436 1,552 64.2%
工業製品製造業 62,033 63,032 999 31.6%
ビルクリーニング 10,171 10,514 343 32.7%
宿泊 2,556 2,771 215 18.7%

食品製造は、1か月で枠の約0.9%分が埋まりました。年間の増加数は15,567人で、6月末時点の16,698人より少し落ちています。それでも月に1,000人を超える増え方は続いています。

この記事のポイント

食品製造と介護は、いつ9割に届くのか

当組合が見ているのは、枠が全部埋まる時期ではありません。9割に届く時期です。

外食業では、在留者が2026年2月末で約4万6千人、上限5万人の9割強になった段階で、入管庁が3月27日に案内を出し、4月13日以降に受け付けた申請から新規の受け入れを原則止めました。止まったのは上限に達する前です。7月末の外食業は49,290人、98.6%になっています。

同じ9割の線を、食品製造と介護に当てはめます。

飲食料品製造業の9割は120,150人で、7月末からあと18,228人です。この1年と同じ速さ(年15,567人)なら2027年9月ごろ、直近1か月の速さ(月1,153人)なら2027年11月ごろに届きます。

介護の9割は114,210人で、あと32,774人です。年24,402人の速さなら2027年11月ごろ、月1,552人の速さなら2028年4月ごろです。

これはMOOZ事業協同組合(三重県津市)が公表値を割り算しただけの単純計算で、予測ではありません。1か月分の数字は振れますし、受入れ見込数そのものが見直されることもあります。9割で必ず止まるという決まりがあるわけでもありません。それでも、計画を立てる目安としては「全部埋まる2028年後半」より「9割に届く2027年秋」のほうを使うよう、受け入れ先には案内しています。

MOOZ事業協同組合

影響を受けるのは、2027年後半以降に実習を終える人がいる会社

技能実習には分野ごとの人数の上限がありません。影響が出るのは、実習を終えた人を特定技能に切り替えるときです。その人数は、分野の受入れ見込数に数えられます。

9月16日に監査で伺った兵庫県の食品工場(そう菜加工・女性5名)は、5人とも2024年8月の入国でした。3年の実習を終えるのは2027年8月です。上の計算を当てはめると、その直前の2027年7月末には、飲食料品製造業の枠は87〜88%まで埋まっていることになります。5人の変更申請は同じ月に重なります。

10名、20名とまとめて受け入れた工場や施設ほど、修了の時期がそろいます。1人ずつ時期をずらして様子を見ることができません。2025年以降に入国した実習生がいる会社は、修了が2028年以降になるので、さらに線に近づきます。

海外から特定技能で直接呼ぶ計画も同じです。外食業では、海外から呼ぶための在留資格認定証明書の交付から止まりました。

一方、宿泊は18.7%、工業製品製造業は31.6%です。旅館・ホテルや、溶接・自動車部品・電子部品の工場は、今のところ枠を理由に計画を前倒しする段階ではありません。

今月のうちに確かめること

食品工場と介護施設には、次の3点をお願いしています。

1つ目は、在籍している実習生の修了年月を人ごとに並べることです。2027年9月より後に修了する人が何人いるかで、影響の大きさが分かります。

2つ目は、その人たちが特定技能へ移る道筋の確認です。技能実習2号を良好に修了した人は、同じ系統の分野へ移る場合、技能試験と日本語試験が免除されます。対象になるかどうかを早めに確かめておくと、修了が近づいた時点ですぐ申請の準備に入れます。

3つ目は、2028年以降の増員を特定技能の新規採用だけで組まないことです。技能実習の受け入れ申請は2027年2月までで、2027年4月からは育成就労が始まります。現時点の情報では、育成就労にも分野ごとの受入れ見込数が定められており、詳細は今後の政省令や運用で変わる可能性があります。

入管庁はこの資料をほぼ毎月更新しています。申請の前には、入管庁の最新の数字をご確認ください。

修了年月の一覧と、2027〜2029年に増やしたい人数、寮で受け入れられる上限。この3つがそろっていれば、どの年に何人をどの制度で受け入れるかを具体的に組めます。MOOZ事業協同組合は三重県津市の監理団体で、東海地方を中心にミャンマー人材の受け入れを2名からお手伝いしています。特定技能へ移った後の支援は、グループの登録支援機関である株式会社NADyが担当します。ご相談は MOOZ公式サイト からどうぞ。