三重の監督で違法残業186事業場、技能実習への影響は
三重では535事業場のうち186事業場で違法な残業がありました
三重労働局は2026年10月8日、令和7年度(2025年4月〜2026年3月)の監督指導結果を公表しました。長時間労働が疑われる535事業場のうち、186事業場(34.8%)で違法な時間外労働が確認されています。
技能実習生や特定技能の人を受け入れている三重県内の工場・施設には、労基署の指導で終わらない話です。労働時間の違反は、受け入れそのものに関わります。
内訳はこうです。違法な残業があった186事業場のうち、月80時間を超えていたのが97事業場(52.2%)。月100時間超が56事業場、150時間超が11事業場、200時間超が3事業場でした。
厚生労働省が9月15日に公表した全国の集計では、月80時間超は違法な残業があった事業場の44.5%です。三重は52.2%で、違反が見つかった事業場に限れば、長い残業の割合が全国より高く出ています。
残業時間以外の数字もあります。賃金不払残業が24事業場(4.5%)、過重労働による健康障害を防ぐ措置をしていなかったのが89事業場(16.6%)。労働時間の把握が不適正として指導されたのは61事業場(11.4%)でした。
出典:三重労働局「長時間労働が疑われる事業場に対する令和7年度の監督指導結果を公表します」
🔗 厚生労働省のページ

実習生に残業をさせていなくても、受け入れに響くのはなぜか
労基署が見るのは外国人だけではなく、事業場の全員だからです。
技能実習法の第16条は、実習の認定を取り消す場合を並べています。その中に「出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき」があります。対象を実習生の労働時間に限る書き方にはなっていません。
違反があればすぐ取消し、という意味ではありません。是正勧告を受けて直した会社の多くは、そのまま受け入れを続けています。ただ、認定が取り消されると、その日から5年間は新しい実習計画の認定を受けられません(技能実習法第10条)。
多人数を受け入れている工場ほど、この重さは大きくなります。10名いれば10名分の計画が同時に対象になり、実習生は別の受け入れ先を探すことになります。ラインもシフトも、一度に組み直しです。
特定技能でも、労働関係法令を守っていることが受け入れ機関の基準に入っています。2027年4月に始まる育成就労も、現時点の情報では同じ考え方です。

11月に重点的な監督指導が行われます
三重労働局は今回の発表の中で、11月の「過重労働解消キャンペーン」期間中に重点的な監督指導を行うとしています。
今回の監督の対象は、月80時間を超える時間外・休日労働が疑われる事業場と、過労死等の労災請求があった事業場でした。年末に向けて受注が増える食品工場や、秋の行楽期の宿泊施設は、ちょうど残業が伸びる時期と重なります。
受け入れ企業が今月のうちに確かめること
MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、監査のときに実習生の分だけでなく、同じ職場の日本人社員の残業時間も一緒に見ておくことをおすすめしています。
監理団体は3か月に1回以上の監査で、実習生の賃金台帳やタイムカードを確認します。けれども日本人社員の勤怠までは、会社から見せてもらわない限り分かりません。実習生の勤怠がきれいな工場で、日本人のリーダーに残業が寄っている。これは珍しい形ではありません。
確かめる点は3つです。
- 36協定(時間外・休日労働に関する協定)の届出が切れていないか。特別条項の上限は何時間か
- 先月、時間外と休日労働の合計がいちばん長かった人は誰で、何時間か(国籍を問わず)
- タイムカードの打刻と、実際に職場を出た時刻がずれていないか
3つめは、今回61事業場が指導を受けた「労働時間の把握」にあたります。打刻のあとに片付けや引き継ぎをしている職場は、ここで引っかかります。
特別条項を結んでいても、時間外と休日労働の合計は月100時間未満、2〜6か月の平均で80時間以内が上限です(労働基準法第36条)。月80時間に近い人が1人でもいれば、翌月のシフトを先に直してください。
次に確かめるのは「先月いちばん長かった1人」です
全員分を一度に見直す必要はありません。先月の時間外・休日労働がいちばん長かった人を1人だけ調べれば、その職場の危ない場所が分かります。
人を増やして残業を減らしたい、という相談も受けています。その際は、業種、いまの従業員数と外国人材の人数、繁忙期の月、残業がいちばん多い工程を伝えてください。受け入れは2名から、まとまった人数でも対応しています。
MOOZ事業協同組合(三重県津市)
MOOZ公式サイト
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