育成就労の転籍、初期費用の補填額はまだ決まっていない

育成就労の転籍、初期費用の補填額はまだ決まっていない

育成就労では、本人の意向で人が別の会社へ移った場合、移った先の会社が元の会社に「初期費用の補填」を払います。ただ、その金額は2026年10月時点でまだ決まっていません。

入管庁が2026年10月15日に更新した「育成就労制度Q&A」のQ54も、金額を決める告示について「この告示は今後制定する予定です」と書いています。

関係するのは、これから育成就労で5名以上をまとめて受け入れる工場・宿泊・介護の会社です。補填で費用が戻る前提では、予算を組まないほうが安全です。

(育成就労は2027年4月1日に施行される予定の制度です。以下は現時点の情報では、という前提で読んでください。)

出典:出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」 🔗 出入国在留管理庁のページ

補填の額は「告示の額 × 在籍期間の按分率」で決まる

Q54によると、補填の額は主務大臣が告示で定める金額に、在籍していた期間に応じた按分率をかけて計算します。

この書き方を読むかぎり、会社ごとに実際にかかった費用をそのまま請求する仕組みではありません。募集や講習、渡航にいくら使ったかとは別に、国が決める額が基準になります。

按分率がどう動くのかも、まだ分かりません。たとえば在籍が長いほど補填が減るのか、何か月ごとに区切るのか。告示が出るまでは誰にも答えられない部分です。

この記事のポイント

転籍者を受け入れる側には人数の上限がある

転籍者を受け入れる会社にも上限があります。Q53の答えは次の3つです。

  • 本人の意向で移ってきた人の数は、その会社の育成就労の人の総数(今回の転籍者を含む)の3分の1を超えてはいけない
  • 大都市圏(指定区域外)の会社が地方(指定区域内)から受け入れる転籍者は、総数の6分の1を超えてはいけない
  • 転籍者を含めて6名未満の小さな会社は、3分の1のルールを満たせば1名まで受け入れられる

Q&Aの計算どおりなら、大都市圏の会社で育成就労の人が18名いる場合、地方から受け入れられる転籍者は3名までです。

三重県の会社は「地方」として扱われるのか

Q&Aの書き方では、三重県は「地方」(指定区域)にあたります。

Q41は、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・愛知県・大阪府・京都府・兵庫県の8都府県以外の道県と、この8都府県の一部の地域を「指定区域」として地方とする、と説明しています。三重県は8都府県に入っていません。

指定区域かどうかは、働く場所ではなく会社の本店所在地で決まります(Q42)。三重県に工場があっても、本店が大都市圏にある会社は扱いが変わるので、ここは先に確かめてください。

6分の1のルールは、地方から大都市圏へ人が流れすぎないように置かれたものです。名古屋や大阪の一部地域の会社が、三重から自由にいくらでも転籍者を受け入れられるわけではありません。

MOOZ事業協同組合

本人の意向で移れるのは、いつからか

本人の意向による転籍には条件があります。Q47では、決められた水準の技能と日本語を身につけていること、転籍制限期間を過ぎていること、転籍先が優良な受け入れ企業であることなどが挙がっています。

転籍制限期間は分野ごとに1年から2年の間で決まります(Q49)。1年を超える期間を選んだ分野では、受け入れ企業が待遇を上げる取り組みをすることが条件になります(Q50)。

技能実習では、本人の希望だけで会社を移ることは原則できませんでした。育成就労では、制限期間が終わった時点から、移る道が開きます。

費用が戻らない前提で、何を決めておくか

相談でいちばん多いのは、「初期費用と月額の監理費を、実額で知りたい」という声です。育成就労では、そこに「途中で抜けたらいくら戻るのか」という問いが加わります。

この問いにだけは、今は答えが出せません。だからMOOZ事業協同組合(三重県津市)では、告示が出るまでは、補填で戻る分を見込まずに費用を考えるよう案内しています。

多人数を受け入れる会社には、もう1つ気をつけてほしいことがあります。Q40では、受け入れ人数枠の上限まで同じ年度にまとめて受け入れることもできるとされています。

ただ、全員が同じ月に入ると、転籍制限期間が終わる時期も全員そろいます。当組合では、人数が多い会社ほど、入国を一度にするか分けるかも費用と一緒に考えたほうがよいと考えています。

残ってもらう理由を先に示しておくことも、補填より確かな手当てです。昇給の道筋を契約の前に紙で渡す方法は、別の記事で書きました。

次に確かめるのは、按分率の区切り方

告示が出たら、最初に見てほしいのは按分率が何か月ごとに下がるかです。在籍が1年の人と2年の人で、戻る額がどれだけ変わるかが分かれば、入国の時期をどう分けるかも決めやすくなります。告示が出た時点で、このブログでもお知らせします。

ご相談のときは、業種・受け入れたい人数・入国してほしい時期・本店の所在地を教えてください。こちらからは、初期費用と月額の監理費の内訳、入国までの日程案をお返しします。

30分無料オンライン相談:MOOZ公式サイト

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