育成就労の入国前の日本語は、誰が教えた分が数えられるか
入国前に教えるのは現地の学校。数えられるのは「試験の合格」です
育成就労で来る人に入国前の日本語を教えるのは、これまでと同じく現地の日本語学校です。ただし現時点の情報では、制度が数えるのはA1相当の試験の合格か、国内の認定校での100時間以上の講習です。2027年4月以降に5名、10名と受け入れる工場・宿泊・介護の会社は、ここで配属の日が変わります。
根拠は入管庁の「育成就労制度Q&A」です(2026年10月8日に当組合で確認)。
🔗 出入国在留管理庁のページ
Q64では、A1相当の講習は「入国後講習」の中に置かれています。受ける場所は、認定日本語教育機関の「就労」課程です。試験に合格していれば、この講習は要りません。
同じQ64に「講習の一部を本国において行うことも可能」とあります。ただ、現地のどの学校の授業がこれに当たるのかは、Q&Aからは読み取れませんでした。
つまり、現地の学校で何百時間教えても、それだけで制度上の講習になるとは言い切れません。確実に数えられる形は、試験の合格です。
なお、合格していなくても入国はできます(Q67)。その場合は、入国後に講習を受けてから働き始めます。

認定日本語教育機関と登録日本語教員は、どういう関係か?
学校の認定と先生の資格は、同じ法律で対になっています。2024年4月に施行された日本語教育機関認定法です。
認定日本語教育機関とは、文部科学大臣の認定を受けた日本語学校のことです。課程は「留学」「就労」「生活」の3つに分かれます。育成就労の講習で指定されているのは、このうち「就労」です。
登録日本語教員とは、その認定校で教えるための国家資格です。日本語教員試験と実践研修を経て、文部科学大臣の登録を受けます。
いま教えている先生には経過措置があります。文部科学省の説明では、2029年3月31日(令和11年)までは、一定の勤務経験がある人が申請により試験の免除を受けられます。
🔗 文部科学省のページ
受け入れ企業がこの資格を取る必要はありません。知っておくとよいのは、「誰が教えた授業なら数えられるか」の線が、この資格と認定で引かれているという点です。
「就労」課程の認定は、2026年4月の回で0機関でした
頼める認定校は、まだ多くありません。文部科学省が2026年4月30日に公表した認定結果では、申請100機関のうち認定は32機関でした。
課程別に見ると、申請は留学99、就労2、生活0。認定は留学32で、就労は0機関です。
🔗 文部科学省のページ
これは1回分の結果で、それ以前に認定された学校は別にあります。それでも、就労の課程を出す学校が急に増える状況ではないことは分かります。
日本語学校はもともと留学生を教える場として育ってきました。働く人向けの課程は、これから作られていく段階です。
そこで、施行後の当分の間は別の道が用意されています。登録日本語教員による授業で一定の要件を満たすものは、認定校の講習を受けたものとみなされます(Q64)。入管庁の案内では、先生1人に生徒20人以下などが要件に挙がっています。
🔗 出入国在留管理庁のページ
育成就労は2027年施行予定の制度です。ここまでの内容は現時点の情報で、政省令や運用で変わることがあります。

現地の日本語教育は、合格という形にして日本へ持ち込みます
MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、入国前に現地でA1相当の試験に合格するところまで進める計画をおすすめしています。現地で教えた分を、制度が確実に数える形にするためです。
当組合が提携するミャンマーの日本語学校は、『みんなの日本語 第二版』に会話の映像教材を組み合わせて教えています。絵を見て場面を判断する練習も、試験対策として早い段階から入れています。
学校からは月ごとに成績表が届きます。日本語力だけでなく、生活態度の評価も載っています。誰が合格に届きそうかは、配属の前に見当がつきます。
日本側の巡回報告は、現地の全教員に共有されます。教員どうしで話し合い、授業に反映されます。日本の現場で見えたことが、次に来る人の教え方に戻っていきます。
こうした積み重ねは、制度の上では「講習の時間」としては残りません。残るのは合格という結果です。だから、合格を出口に置いて計画を組みます。
現地の学校の授業が「本国での講習の一部」に当たるのかどうか。この点は、当組合でもまだ確認できていません。分かり次第、記事でお伝えします。
多人数の受け入れでは、未合格の人数がそのままシフトに出ます
合格していない人は、働き始める前に国内で100時間以上の講習を受けます。10名のうち3名が未合格なら、その3名だけ現場に入る日が遅れます。
費用も会社側の話です。Q&Aでは、受け入れ企業か監理支援機関が費用の負担を含めて必要な措置をとるとされています(Q66)。講習料は学校ごとに違い、当組合からまだ金額をお示しできません。
合格していれば講習が何も要らない、というわけでもありません。入国後講習の日本語の科目は、合格者も受けます。こちらは認定校でなくてもかまいません(Q68)。
契約の前に、送り出し側へ1つだけ聞いてください
確かめるのは1点です。「入国までに、A1相当の試験に何名が合格する見込みか」を、送り出し機関か監理団体に聞いてください。
答えが人数と時期で返ってくるなら、現地で進み具合を把握できています。返ってこないなら、未合格の人が国内で講習を受ける学校を、先に探しておくことになります。
当組合へご相談の際は、業種、受け入れたい人数、配属を希望する月をお知らせください。現地での合格の見通しと、国内の講習の手当てを合わせてご説明します。三重県・東海地方を中心に、2名からお受けしています。
MOOZ事業協同組合
MOOZ公式サイト
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