介護の育成就労、常勤10人以下の事業所は3人まで
介護の運用要領は未公表でも、人数枠は告示で決まっています
介護の育成就労で受け入れられる人数は、常勤介護職員が10人以下の事業所で3人までです。根拠は2026年3月31日の厚生労働省告示第156号で、適用は2027年4月1日からです。
育成就労は、技能実習に代わって2027年4月に始まる予定の制度です。これから介護で外国人材を複数名受け入れたい施設に関係します。
外国人技能実習機構(OTIT)は10月9日、育成就労の分野別運用要領を追加で公表しました。運用要領とは、法令の基準を審査でどう当てはめるかを書いた手引きです。今回加わったのは飲食料品製造業と資源循環でした。
機構の分野別のページを10月14日に確かめたところ、介護の欄には運用方針と告示しかありません。当組合が数えた範囲では、17分野のうち本文が載っているのは11分野です。介護と宿泊は残りの6分野に入っています。
機構は同じページで、運用要領を「準備でき次第、速やかに」公表するとしています。時期は書かれていません。

常勤介護職員が何人なら、何人まで受け入れられる?
監理支援機関(今の監理団体にあたる機関)を通す受け入れでは、告示第4条第2項の表で決まります。数えるのは事業所ごとの常勤介護職員です。
| 事業所の常勤介護職員 | 育成就労外国人の上限 |
|---|---|
| 10人以下 | 3人 |
| 11〜20人 | 6人 |
| 21〜30人 | 9人 |
| 31〜40人 | 12人 |
| 41〜50人 | 15人 |
| 51〜100人 | 18人 |
| 101〜200人 | 30人 |
| 201〜300人 | 45人 |
| 301人以上 | 常勤介護職員の20分の3 |
どの区分でも、育成就労外国人の総数は常勤介護職員の総数を超えられません。
技能と日本語の実績などで高い水準と認められた受け入れ先は、表の2倍になります。そのうえで監理支援機関も高い水準にあり、事業所が指定区域にあれば3倍です。指定区域については、9月24日の記事「育成就労の人数枠が3倍になる会社、ならない会社」に書きました。
今いる技能実習生は、常勤介護職員に数えません
分母を大きく見積もる間違いが、いちばん起きやすいところです。
告示が数えるのは「介護等を主たる業務として行う常勤の職員」です。育成就労外国人の本人と、EPA(経済連携協定)の介護福祉士候補者は除かれます。
附則第2項では、経過措置で技能実習を続けている人も含めないとされています。技能実習生が多い施設ほど、思っていたより枠が小さくなります。
法人で合算することもできません。常勤介護職員が25人の特養と8人のデイサービスなら、特養は9人、デイサービスは3人です。

指導員は5人につき1人以上、1人は介護福祉士です
人数枠より先に、指導員の数で上限が決まる施設があります。
告示第2条は、事業所ごとの育成就労指導員について2つ求めています。1名以上が介護福祉士か、それと同等以上の知識と技術を持つ人であること。そして指導員の数が、育成就労外国人の数を5で割った数以上であることです。
9人受け入れるなら、9÷5=1.8で、指導員は2人以上です。シフトを組む前に、誰を指導員にするか名前で決めておく話になります。
事業所そのものにも条件があります。開設後3年以上たっていること(同じ法人の別の介護事業所が3年以上の場合などの例外あり)。夜勤など少人数の業務をさせるときは、利用者の安全を確保する措置を取ることです。
日本語は入国後に240時間、1年たっても続きます
介護の育成就労は、入国後の日本語の講習が240時間以上です。そのうち40時間は「介護の日本語」です(告示別表第一)。
入国の時点で「基礎的な日本語」の水準が試験などで証明されていること。これが告示第1条の条件です。どの試験の何級が当たるかは、告示には書かれていません。
育成就労の期間が通算1年になった後も、条件は続きます。「自立して日本語を理解し、使用することができる水準」に届いていない人は、事業所でそのための日本語を学ぶことになっています。本人が学ぶ意思を表明することも条件です。
学ぶ時間を誰がどこで取るかは、施設が決めておく仕事です。
当組合が9月16日に監査で訪ねた兵庫県の食品工場(そう菜加工・女性5名)では、全員が2024年8月の入国でした。2年たった今、日本語はN2からN4まで開いています。同じ時期に来ても差はつきます。介護では、その差がそのまま任せられる業務の差になります。
運用要領を待つ間に、施設ができること
MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、運用要領を待たずに事業所ごとの常勤介護職員を数えることをおすすめしています。告示の数字は、運用要領が出ても変わらない部分だからです。
数えるときに見るのは次の4つです。
- 事業所ごとの、介護を主な業務とする常勤職員の数(技能実習生・EPA候補者は除く)
- 介護福祉士の資格を持ち、指導員を任せられる職員の名前
- 事業所の開設年月
- 夜勤に入れる時期と、そのときの職員の配置
常勤に誰を含めるかの細かい線引きや、提出する書類の様式は、運用要領で示される部分です。そこは公表を待ちます。
育成就労は2027年4月に施行予定の制度で、ここに書いたのは現時点の情報です。政省令や運用要領で変わる可能性があります。
費用は人数と時期で変わるため、この記事には数字を載せていません。相談のときに、事業所ごとの常勤介護職員の数、受け入れたい人数、始めたい時期を伝えてください。枠に収まるかどうかと、技能実習・特定技能のどれが合うかをその場でお答えします。当組合の受け入れは2名からです。
MOOZ事業協同組合(三重県津市)
MOOZ公式サイト
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