旅館・ホテルの育成就労、民泊と簡易宿所は対象外

旅館・ホテルの育成就労、民泊と簡易宿所は対象外

旅館・ホテルで育成就労の外国人を受け入れられるのは、旅館業法第3条第1項の「旅館・ホテル営業」の許可を持つ施設だけです。

2026年10月16日、外国人技能実習機構(OTIT)のサイトに、宿泊分野の育成就労の運用要領(制度を実際に動かすための細かい決まり)が公表されました。簡易宿所、民泊(住宅宿泊事業法・特区民泊)は対象外です。

関係するのは、2027年4月の制度開始後に外国人材を入れたい旅館・ホテルです。とくに、複数の施設を持ち、施設によって許可の種類が違う会社は、先に確かめておく必要があります。

出典:外国人技能実習機構「分野別運用要領の公表(宿泊分野)」2026年10月16日
🔗 外国人技能実習機構のページ

施設の許可の種類で、受け入れられるかが決まる

運用要領では、育成就労実施者(受け入れ企業)になれるのは、旅館・ホテル営業の許可を受けた事業者とされています。申請のときは、営業許可書の名義が受け入れ企業と一致していることも確かめられます。

事業所を途中で変えるときは、変更後の施設の許可を示す書類も出します。系列の施設に配置を変える予定がある会社は、その施設の許可も見ておいてください。

もう1つ、はっきり書かれていることがあります。風営法の「接待」をさせることは禁止で、接待をさせないための措置(防止マニュアルの作成や相談体制)を取ることが求められています。守られていないと確認された場合は、協議会からの除名と公表があり得るとされています。

この記事のポイント

1年目と2年目で、任せる仕事が変わる

宿泊分野の業務は「フロント、企画・広報、接客、レストランサービスの4つ全部を含むもの」とされています(運用要領の別表)。

育成就労を始めてから1年までは、フロント・接客・レストランサービスの3つに従事します。2年目からは、企画・広報も加わります。

ここで、計画の立て方が変わります。客室まわりの人手が足りないから入れる、という発想だけでは足りません。受け入れの前に、フロントとレストランを誰が教えるかを決めておく必要があります。

客室清掃と審査基準の関係は、10月3日の記事「客室清掃で育成就労を使う会社へ、審査基準が9月30日に出ました」に書いています。

日本語と試験には、3つの節目がある

働き始める前に、JFT-Basic(国際交流基金の日本語試験)のA1相当以上、またはJLPT(日本語能力試験)のN5以上に合格していること。合格を示せない場合は、A1相当の日本語講習を100時間以上受けることが必要です(入国後講習のほか、入国前講習で行うこともできます)。

1年たつまでに、宿泊分野育成就労評価試験(初級)と、A1相当以上の日本語を満たします。

育成就労を終えるまでに、宿泊分野特定技能1号評価試験と、A2.2相当以上の日本語を満たします。これがそのまま特定技能1号へ進む道になります。

見落としやすいのは費用です。1年目の評価試験(初級)と、修了時の特定技能1号評価試験・日本語の受験料を、受け入れの予算に人数分見込んでおいてください。

MOOZ事業協同組合

転籍は1年で可能になる。宿泊の会社にとって何を意味するか

本人の希望による転籍(ほかの会社へ移ること)の制限期間は、宿泊分野では1年です。転籍には、評価試験(初級)とA2.1相当以上の日本語も必要です。

現時点の情報では、飲食料品製造業など、2年とされている分野もあります。宿泊は短いほうです。

1年で移れるということは、2年目以降も残ってもらえる職場かが問われるということです。2年目から企画・広報を任せる、特定技能1号の試験に向けて勉強の時間をとる。この道筋を、契約の前に本人へ示せるかどうかが分かれ目になると、当組合は見ています。

技能実習で今入れるか、2027年4月を待つか?

当組合にいちばん多く届いている相談が、これです。判断の前に、宿泊分野に限らず育成就労全体にかかる決まりを2つ押さえておいてください。

  • 技能実習を3年以上行った人は、育成就労の計画の認定を受けられません。
  • 技能実習を2年を超えて行った人は、対応する業務区分以外の育成就労はできません。

MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、2027年4月より前に受け入れたい旅館・ホテルには、技能実習で入れて、その後は特定技能1号に移る道をご案内しています。育成就労を待つ場合は、送り出す国の状況も確かめてください。現時点の情報では、ミャンマーとの育成就労の協力覚書はまだ結ばれていません。

いつまでに何をするか

育成就労は2027年4月1日施行予定です。詳細は政省令や運用で変わることがあるため、現時点の情報として読んでください。

宿泊の会社が今のうちにやることは、次の4つです。

  • 受け入れる施設の営業許可の種類と名義を確かめる
  • 国土交通省が置く宿泊分野の協議会に、計画の認定申請より前に加入する(2026年10月17日時点で、加入の手続きは入管庁のページで「準備中」とされています。始まったらすぐ申し込めるよう、担当者を決めておく)
  • 接待防止のマニュアルと相談の窓口を用意する
  • 1年目にフロント・接客・レストランサービスを教える担当者を決める

複数名をまとめて受け入れるなら、寮の部屋数とシフトも同じ時期に固めておくと、計画づくりが止まりません。

宿泊分野の制度の問い合わせ先は、観光庁の宿泊分野の外国人材についてのページで確かめてください。
🔗 国土交通省のページ

次に確かめる1点

まずは、受け入れたい施設の営業許可証の「営業の種別」を見てください。そこが「旅館・ホテル営業」でなければ、宿泊分野の育成就労は使えません。

ご相談のときは、施設の数、受け入れたい人数、働き始めてほしい時期を教えてください。技能実習で今入れる場合と育成就労を待つ場合の両方について、受け入れまでの日程と費用の内訳をお返しします。

30分の無料オンライン相談は、こちらから申し込めます。
MOOZ公式サイト

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