技能実習生が通帳や携帯を譲ると犯罪に。会社が渡す1枚

技能実習生が通帳や携帯を譲ると犯罪に。会社が渡す1枚

通帳・カード・携帯を他人に譲ると、無償でも犯罪になります

技能実習生が自分の通帳やキャッシュカード、携帯電話を他人に譲ると、お金を受け取っていなくても犯罪にあたります。外国人技能実習機構(技能実習を監督する国の認可法人。以下、機構)が2026年8月17日、このことを実習生に伝えるリーフレットを更新しました。

機構はお知らせの中で、監理団体と実習実施者(受け入れ企業)に、実習生への周知を求めています。技能実習生を受け入れているすべての会社に関係します。

🔗 外国人技能実習機構のページ

リーフレットは「犯罪に巻き込まれないために」という題のA4で1枚です。技能実習生手帳から、防犯の部分を抜き出したものです。

この記事のポイント

何が変わったのか。載っている行為は6つです

制度や罰則が変わったわけではありません。変わったのは、会社が実習生に渡す紙の中身です。

どこを直したのかは、機構のお知らせには書かれていません。そこで、現在の版に何が載っているかを確かめました。

リーフレットは冒頭で、犯罪組織がSNSの求人広告や友人・知人からの勧誘を使い、実習生を巻き込む例があると書いています。そのうえで、次の6つの行為を罪名つきで挙げています。

  • 通帳、キャッシュカード、資金移動・暗号資産交換サービスのアカウント情報を譲り渡す・譲り受ける(犯罪収益移転防止法違反)
  • 携帯電話を他人に譲り渡す(携帯電話不正利用防止法違反)
  • 他人になりすまして現金やキャッシュカードを受け取る(詐欺)
  • ATMで他人のカードを使い、他人名義の口座から引き出す(窃盗)
  • 他人の荷物を受け取る(私印偽造)
  • 賭け事をする(賭博)

1つ目には「有償又は無償で」と書かれています。売らなくても、あげるだけで当てはまるということです。

資金移動サービスとは、スマートフォンの送金アプリなどのことです。通帳とカードだけの話ではありません。

いつ渡すか。当組合は配属の日と帰国の前の2回です

機構は期限を示していません。リーフレットはすでに公開されていて、今日から使えます。

MOOZ事業協同組合(三重県津市)では、配属の日と、帰国や転職の前の2回渡すことをおすすめしています。

配属の日に渡す理由は、巡回の経験からです。当組合の巡回では、制度の確認とは別に、自転車の乗り方や道路の渡り方を毎週のように教えています。母国とルールが違うので、配属直後がいちばん危ないからです。

お金や携帯電話のルールも同じだと、私たちは見ています。知らないまま誘いを受けると、悪いことだと気づく前に終わってしまいます。

帰国の前にもう一度渡すのは、口座と携帯が「もう使わない物」になる時期だからです。使わない物なら、あげても構わないと考えやすくなります。

MOOZ事業協同組合

誰に影響するか。本人と、その人が抜ける現場です

罪に問われるのは実習生本人です。ただ、会社にも響きます。

本人が実習を続けられなくなれば、ラインに欠員が出ます。監理団体を通じて、機構への届出も必要になります。

一度に5名、10名と受け入れている工場や施設では、寮の中で話が広がりやすくなります。リーフレットが「友人や知人からの勧誘」を挙げているのは、この点です。1人だけに伝えても足りません。

会社が今やることは?母語の1枚を印刷して、1人ずつ渡します

費用はかかりません。機構の「防犯情報」のページに、10言語のPDFが並んでいます。

日本語、英語、中国語、ベトナム語、タガログ語、インドネシア語、タイ語、カンボジア語、ミャンマー語、モンゴル語です。

🔗 外国人技能実習機構のページ

渡すときは、掲示板に貼るだけで済ませないでください。1人ずつ手渡しし、6つの行為を一緒に読みます。

伝え方には、当組合なりの工夫があります。当組合は入国前に禁煙の約束をしてもらっています。そのとき、健康の話ではなく、寮の火事のリスクと本人のお金の話として説明しています。

通帳や携帯電話も同じです。「規則だから」ではなく、「名義はあなたなので、警察が調べるのはあなたです」と伝えます。本人の損得で話すと、聞く顔が変わります。

帰国の前には、口座と携帯電話の解約をいつ行うかを、本人と一緒に決めます。日付まで決めておけば、誰かに預ける理由がなくなります。

リーフレットには、こうした行為を見聞きしたら警察に通報するよう書かれています。寮で誘いの話を聞いたら、会社か監理団体にも伝えてほしい。これも、渡すときに一言添えています。

まず、帰国が近い人を数えてください

最初に確かめるのは、この先3か月で帰国・転職する実習生が何人いるかです。その人数分を、母語で印刷します。

ミャンマー人材の受け入れを検討中の会社は、ご相談のときに業種、人数、寮の形(集団か別居か)をお知らせください。入国前から配属後まで、生活の約束を誰がどう伝えるかをお話しします。2名から受け入れられます。

MOOZ事業協同組合(三重県津市)
MOOZ公式サイト

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